斜面上の運動

3323-10-1.gif水平面とθの角度をなす斜面の上の質量m の物体が滑り落ちる運動を考えます。斜面は摩擦の無いなめらかな面であるとします。

3323-10-2.gif物体には鉛直下向きに重力mg がはたらいています。

3323-10-3.gifこの重力mg 運動方向(斜面方向)運動方向と垂直な方向に分解します。(3-2-1-2 力の合成と分解参照)。

3323-10-4.gifすると、運動方向の力の成分はmg sinθとなり、この力が物体を滑り落としています。

運動方向と垂直な方向の力の成分はmg cosθとなり、この力は垂直抗力とつり合っています。つり合っているのでこの方向(運動方向と垂直な方向)には物体は動かないので、今この方向に関しては何も考えません。

3323-10-5.gifここで三角関数に慣れていない人のために、なぜmg sinθmg cosθとなるのか詳しく説明します。まず3-2-1-2 力の合成と分解の項を読んでこのページに戻って来てください。

最初に大きい三角形の底辺(水平線)と平行な補助線を引きます。すると、θ =θ1であり、θ1 =θ2であります。θ2というのは 90°-θ’ であり、θ3も 90°-θ’ である(三角形の内角の和は 180°で、3つのうちの1つが 90°なのだから残りの2つの合計は 90°)ので、θ2 =θ3であります。結局θ =θ3となります。

3323-10-6a.gif運動方向の力の成分(左図の線分1)は、左図の線分2と同じであり、これを求めると、mg sinθとなります。3-2-1-2 力の合成と分解 【三角関数】 の三色イラストに当てはめると、左図の下向きの赤矢印が3-2-1-2 力の合成と分解の項の青辺に当たり、左図の線分2が3-2-1-2 力の合成と分解の項の赤辺に当たります。というわけでmg × sinθ となるのです。

3323-10-7a.gif運動方向と垂直な方向の力の成分は、3-2-1-2 力の合成と分解の項の緑辺に当たり、左図の下向きの赤矢印が3-2-1-2 力の合成と分解の項の青辺に当たるので、求めるとmg × cosθ となります。

三角関数は物理で頻繁に使うのでしっかりマスターしてください。

3323-10-8.gif話を戻しまして、運動方向(斜面方向)の運動方程式を立ててみますと、

ma =mg sinθ となり、

加速度は、 a =g sinθ となります。

運動方向と運動方向と垂直な方向に分解

物理の問題を解くときのコツを一つ紹介したいのですが、それは、この項で学んだように、力を運動方向運動方向と垂直な方向に分解する、ということです。運動方向と垂直な方向には物体は動いていないわけです。加速度が0ということです。つまり運動方程式の両辺が0になり、運動方程式の立てようがないのです。(別のいい方をすれば、力がつり合っているといえます)。物理の問題を解くときは、運動方向それと垂直な方向とに分解し、運動方向についての運動方程式を立てる、もしくはつり合いの式を立てる、というのがコツになります。

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