6.1.1.1 静電気力

電荷

電気のことを電荷といいます。電荷の量を電気量といいます電気量のことを電荷といってしまうこともあります。ちょっと乱暴ですが…。閉じる。電気とは何か、電荷とは何かと聞かれると、それはあまりにも根本的すぎて答えられません。1-1-1-1 では、電気とは電子の振る舞い、と説明しましたが、電気(電荷)というものはもうちょっと根本的なもので、あらゆる電磁気現象のおおもととなるものであり、万有引力における質量のようなもの、といえます。

電荷には正と負がありそれぞれ正電荷、負電荷といいます。同じ符号同士の電荷は反発し合い(斥力、せきりょく)、異なる符号同士の電荷は引きつけ合います(引力)。

物体が電気を帯びることを帯電するといいます。帯電した物体を帯電体といいます。大きさが無視できるほど小さい帯電体を点電荷といいます。

電気量(電荷の量)の単位は C クーロン です18世紀のフランスの物理学者、クーロン Coulomb から。閉じる。1 C という量は、1 A の電流が流れているとき、その導線の断面を 1秒間に通過する電気量、と定められています。量記号には qQ を用いますquantity of electricity の頭文字。Q の文字は熱力学でも使われます。閉じる

電気量には最小値があり電気素量(あるいは電荷素量)といいます。正電荷の陽子、負電荷の電子が持つ電荷の絶対値です。e で表しますelementary charge の頭文字と思われます。
具体的な数値は 約 1.60*10-19 C です。
クォークという素粒子が e/3 あるいは 2e/3 という値の電気量を持つのではありますが、それでも e という値が電気量の最小値であり、最小単位ということになってます。 閉じる
。陽子1個の電気量は e C であり、電子1個の電気量は -e C であり、この世のすべての物体の電気量はこれらの整数倍となっています。

電荷保存則

電荷は何も無いところから生まれたり、あるいは消滅してしまったりすることはありません。電荷をやりとりするとき、その前後で電荷の量(電気量)の総和は変化しません。このことを電荷保存則(あるいは電気量保存の法則)といいます。

原子の構造

世の中の物質は分子からできていて、分子は原子からできています。原子は原子核と電子からできています。原子核の周りを電子が回っています。

原子核は陽子と中性子からできています。

電子は負の電荷を持ち、陽子は正の電荷を持ちます。中性子は電荷を持ちません。

普通の状態のときは、電子の数と陽子の数は等しく、負の電荷の量と正の電荷の量はつり合っています。

電子は比較的自由に動くことができ、電子を失った原子はトータルで正の電荷を持ち、電子を得た原子はトータルで負の電荷を持ちます。

クーロンの法則

18世紀のフランスの物理学者クーロンは実験により、q1 [C] の荷電粒子と q2 [C] の荷電粒子との間に、2つの電荷の積に比例し、荷電粒子間の距離 r [m] の2乗に反比例する力がはたらくことを発見しました。クーロンの法則といいます。

クーロンの法則

F =

F静電気力(またはクーロン力)といいます。(6.3.1.1 磁場 参照。)

k は比例定数語源は、ドイツ語 Konstant の頭文字。k という文字は弾性力でも使われますし、ボイル・シャルルの法則でも使われます。意味はそれぞれの場合でまったく違います。「比例」する場合に何かと使いたくなる量記号が k というだけです。

  F =

という式は、真空の誘電率 ε0 を用いて、

  F =

とも書けます。 閉じる
で、真空中でのその値は k0 = 9.0*109 N・m²/C² です。空気中でもほぼこの値です。他の物質の中ではもっと小さい値になります。(誘電率 参照。)

この静電気力の方向は、2つの電荷が同符号の場合は反発し合う方向(斥力)で、異符号の場合は引きつけ合う方向(引力)です。

クーロンの法則は万有引力の法則にそっくりです。万有引力の場合は斥力がありませんが…。質量が負の値をとりませんので…。