遠心力

反心力?

水を入れたバケツを鉛直面内で回転させたとき、「水がこぼれ落ちないのは遠心力のおかげ」などと言うことがありますが、この「遠心力」という言葉の使用法は厳密には不適切とされています(Wikipedia参照)。

この、水がこぼれ落ちない原理は、

水を入れたバケツを横向きにして加速させたときに水がこぼれ落ちない原理と同じです。
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バケツと一緒に回転する観測者(回転座標系)=『慣性系⋅非慣性系』項におけるAさん。
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が「遠心力」という言葉を使うのは構わないが、バケツを回す人やそれを見ている人=『慣性系⋅非慣性系』項におけるDさん。
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が「遠心力」という言葉を使うのは不適切、とされています。遠心力は回転座標系において現れる慣性力です。「サイクロン式掃除機は遠心力でゴミを分離する」と言うと言葉に厳格な方に怒られたりします。「ジェットコースターに乗ると遠心力を感じる」という表現は怒られません。
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(高校物理でここまでこだわる必要は無いとは思うんですが)

正しくは「そこに留まろうとする性質」あるいは「向心力反作用の力」とでも言うべきです。しかしこれだとちょっと長いです。そこで、宮川さんという方が「反心力」という言葉を提案されています(Yahoo!知恵袋参照)。筆者もこの提案に賛成します。当サイトでは度々この「反心力」という言葉を使いますのでご了承ください。試験の答案用紙には書かないでください。

遠心力

遠心力

反心力も遠心力もその大きさは向心力と同じで向きが反対です。「向心力」という言葉は、慣性系においても非慣性系においても用いられます。
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遠心力

 F = mrω2 = m\(\large{\frac{v^2}{r}}\)

 向心力と同じ大きさで向きが反対

遠心力にまつわる話題の整理

脱水機

脱水機において水滴が衣服から放れるのは、水滴の吸着力より遠心力の方が大きくなったからです。A点からC点に進む衣服に吸着する力より、A点からB点に進もうとする性質が上回るからです。


ハンマー投げ

「ハンマー投げのハンマーは遠心力で飛んで行く」というと、物理に詳しい人に怒られたりします。遠心力がハンマーを飛行方向に押し出すわけではないからです。

ハンマーが飛んで行く原理は、坂道を転がる球が坂道の終端から飛び出す原理と同じです。重力によって加速された球が、坂道の終端を通過する瞬間の速度で飛んで行くのです。この速度を初速度として放物運動をするのです。このとき「球は重力で飛んで行く」とはあまり表現しません。物理に詳しい人は「ハンマー投げのハンマーは遠心力で飛んで行く」という表現に、これと同じ違和感を覚えるのです。

しかし、ハンマー投げにおいては、周回スピードが増すと遠心力が増し、そして、周回スピードが増すと飛び出す瞬間の初速度が増し、飛距離が増します。

つまり、
  周回スピードが増す ⇔ 遠心力が増す
  周回スピードが増す ⇔ 飛距離が増す
ので、これはつまり、
  遠心力が増す ⇔ 飛距離が増す
であるので、

「ハンマー投げのハンマーは遠心力で飛んで行く」と表現してしまっても、あまり目くじらを立てなくていいのではないかという気もします。

なお、このとき、周回スピードを変化させるのは、

向心力や遠心力ではありません。

接線方向の力です。接線方向に力の成分が無いと周回スピードをUPさせることはできません。

周回スピードがUPした直後、向心力と遠心力の大きさが大きくなります。

こう考えますと、やっぱり「ハンマー投げのハンマーは遠心力で飛んで行く」という表現はおかしい感じがします。

円錐振り子

円錐振り子について

慣性系で考えれば、力の具合は左図のようになりますが、

非慣性系で考えるとこうなります。