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図4のように、1本のまっすぐで細いレールが2点A、Bを支点として水平に置かれている。レールは一様でその質量は M である。AB間の距離は l1 であり、レールの端からA、Bまでの距離はともに l2 である。質量 m の小球をBから右向きにレール上をゆっくりと転がしたところ、Bからの距離が x を超えると、レールがBを支点として傾き始めた。x を求めよ。

図 4

#センター10本試

支点Aが上から抑えられる力に対抗して押し返す鉛直上向きの力を FA 、支点Bが上から抑えられる力に対抗して押し返す鉛直上向きの力を FB としますと、

最初は FAFB も力を発揮しています。

小球が進むにつれ徐々に FA が小さくなり、FB が大きくなっていきます。

レールが傾き始める瞬間というのは支点Aとレールが離れる瞬間であり、FA が 0 になる瞬間です。

その瞬間にレールにはたらいている力は3つです。

レール自身の重力 Mg重心の位置にあると考えられ、それは支点Bから \(\large{\frac{l_1}{2}}\) の距離にあります。

力のモーメントというのは (力)×(腕の長さ)であり、支点Bを中心とした力のモーメントのつり合いの式は、反時計回りを正として、以下のように表せます。

 

    Mg × \(\large{\frac{l_1}{2}}\) + FB × 0 - mg × x = 0

 ∴  Mg⋅\(\large{\frac{l_1}{2}}\) - mgx = 0

 ∴  M⋅\(\large{\frac{l_1}{2}}\) - mx = 0

 ∴  mx = M⋅\(\large{\frac{l_1}{2}}\)

 ∴  x = \(\large{\frac{M}{2m}}\)l1

(小球の重さがレールの重さの半分くらいのときは、l1 の距離のあたりでレールが傾き始める感じです)