qG7T2

図1のように、長さ l の一様な棒ABの端Aに糸を結び、この糸の他端を鉛直に立てた杭CD上の点Pにつなぎ、棒を杭の上に置いたところ、棒は水平になり静止した。このとき棒が杭と接する点Cは点Aから距離 \(\large{\frac{l}{4}}\) にあり、糸が杭となす角度は θ であった。

図 1

(問1)点Cで杭が棒に及ぼす力の方向として最も適当なものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。

(問2)棒ABの質量を M とするとき、糸の張力 T はいくらか。ただし、重力加速度の大きさを g とする。

#センター04本試

(問1)
糸の張力を T 、棒ABの質量を Mとしますと、棒に及ぼす力のうち分かっているものは左図のような TMg です(一様な棒の重心はその中点にあります。)。

あともう一つの力は点Cからの力であり、棒ABが動かないためには、これは上向きの力であるはずです。

そして、張力 T が若干右を向いてますので、点Cからの力はちょっと左を向いているはずです。

というわけで点Cから棒ABに及ぼす力の方向として最適なのはです。

 

(余談)
棒ABに掛かる3つの力は、合わせると 0 になりますし、数珠つなぎにすると閉じた三角形ができます

 

(問2)
点Cの回りの力のモーメントのつり合いを考えます。

Mg の位置は点Cから \(\large{\frac{l}{4}}\) です。

張力 T の点Cに対する垂直成分は Tcosθ です。

力のモーメントは(力の垂直成分)×(腕の長さ) ですから、力のモーメントのつり合いの式は

    Tcosθ × \(\large{\frac{l}{4}}\) = Mg × \(\large{\frac{l}{4}}\)

であり、

 ∴  Tcosθ = Mg

 ∴  T = \(\large{\frac{Mg}{\cosθ}}\)

と求められます。

 

(余談)
ここまで求まると、紫の矢印の力(Fc)の大きさも求まります。鉛直成分と垂直成分に分けて、力のつり合いを考えます。

    Fc の鉛直成分 = Tcosθ + Mg = Mg + Mg = 2Mg

    Fc の水平成分 = Tsinθ = \(\large{\frac{Mg}{\cosθ}}\)sinθ = Mgtanθ

ここから三平方の定理を用いれば Fc の大きさが求まります。

また、もしAC間の距離がもっと小さくて \(\large{\frac{l}{8}}\) だったりしたら、上の

    Tcosθ × \(\large{\frac{l}{4}}\) = Mg × \(\large{\frac{l}{4}}\)

の式が

    Tcosθ × \(\large{\frac{l}{8}}\) = Mg × \(\large{\frac{3}{8}}\)l

となり、TFc がとても大きくなります。テコの原理です。

逆に、AC間の距離が \(\large{\frac{l}{2}}\) だったりしたら T は 0 となります。