qH425

長さ L 、質量 m の一様な棒の一端を天井に取り付け、他端にばね定数 k のばねをつないだ。ある力でばねを横に引くと、図5のように棒と鉛直方向とのなす角が θ となり、ばねは水平になって静止した。このとき、ばねは自然の長さからどれだけ伸びているか。ただし、天井と棒、棒とばねは自由に回転できるようにつながれており、棒とばねは鉛直面内にあるとする。また、ばねの質量は無視できるものとし、重力加速度の大きさを g とする。

図 5

#センター11本試

求めるばねの伸びを x と置きますと、ばねを引く力の大きさは kx です。

この力は

棒の下端を横に引く力でもあります。 このことは初学者の方は忘れがちです。
x だけ伸びたとき、

引っ張る力の大きさは
kx でありますが、

この力で、
引っ張り上げていますし、

この力で、
引っ張り下げていますし、

この力で、
引っ張り上げています。

作用反作用の法則です。
張力』項もご参照ください。

一方、棒に掛かる重力の大きさは mg であり、一様な棒の重心はその中点にあります。

とうわけで、棒に掛かる力は左図の3つです。

そして、棒が回転せずに静止しているということはこれらの力のモーメントの和が 0 ということでありますから、棒と天井の接点を中心とする力のモーメントのつり合いの式を立てますと、

    0 - mg×\(\large{\frac{L}{2}}\)sinθ + kx×Lcosθ = 0  (左回りを正。『qG931』『qG6Q1』参照)

 ∴  kx×Lcosθ = mg×\(\large{\frac{L}{2}}\)sinθ

 ∴  kxcosθ = mg×\(\large{\frac{1}{2}}\)sinθ

 ∴  x = \(\large{\frac{mg\sinθ}{2k\cosθ}}\)

 ∴  x = \(\large{\frac{mg\tanθ}{2k}}\)