図1のように、水平な床の上に質量 M の直方体の台があり、その上に質量 m の小物体がのっている。台を力 F で水平に引っ張ったところ台は動きだして、小物体は台上を滑りだした。このときの台の加速度 a はいくらか。ただし、台と小物体の間に摩擦はなく、台と床の間の動摩擦係数を μ をする。また、重力加速度の大きさを g とする。
#センター08本試
もし小物体がのっていなくて、床との間に摩擦がないとしたら、運動方程式は
Ma = F
もし小物体がのっていなくて、床との間に摩擦があるとしたら、運動方程式は
Ma = F - μMg
動摩擦力は
摩擦係数μ' × 垂直抗力N
ですが、いまは、
μ' → μ 、N → Mg
です。
本問では、小物体がのっていて、床との間に摩擦があるので、運動方程式は
Ma = F - μ(M + m)g
この場合の垂直抗力は
N → (M + m)g
です。
∴ a = \(\large{\frac{F-μ(M+m)g}{M}}\)
このとき小物体の位置は動きません。だるま落としのようにその位置に留まります。
(余談:この問題を発展させ、)
もし、小物体と台の間にも摩擦があるとしたら、(その動摩擦係数を μ' として)、運動方程式は
Ma = F - μ(M + m)g - μ'mg
となります。(このとき小物体の位置は動きます
このときの小物体に関する運動方程式は(小物体の加速度を a' として)
ma' = μ'mg
となります。
両辺を m で割ると a' = μ'g です。
(よく見ると a' は m にも M にも F にも無関係であることがわかります。)
。)
あるいは、
もし、小物体と台を接着剤で固定したとしたら、運動方程式は
(M + m)a = F - μ(M + m)g
となります。