qH151

以下のを埋めよ。

図のように、x軸を水平面上にとり、質量 M の小物体Aをばね定数 k 、自然の長さ l の軽いばねにとりつけ、水平面に置く。ばねの他端は壁に固定し、その x軸上の位置を原点Oとする。最初、小物体Aは x = l に静止している。 x = l + d にある質量 m ( < M ) の小物体Bに初速度 - v ( v > 0 ) を与えて、小物体Aに衝突させる。すべての運動は x軸上で起こり、ばねの縮みは l より小さいものとする。また、小物体AとBの間の反発係数(はねかえり係数)を e とする。重力加速度の大きさを g とする。

(問1)反発係数が 0 < e < 1 をみたし、水平面はなめらかであるとする。このとき、衝突直後の小物体Aの速度は vA =1であり、小物体Bの速度は vB =2である。その後、ばねは3vA だけ縮んだ。ばねによるAの運動は単振動と考えて良いので、衝突から最初に最も縮むまでの時間は4となる。

(問2)反発係数が e = 0 で、水平面はなめらかである場合、小物体AとBは衝突後一体となって運動する。衝突後、ばねは5v だけ縮み、また伸びていく。小物体が衝突後に初めて x = l を通過するのは、衝突した瞬間から測って6後であり、 小物体BがAから離れる位置は x = 7である。

(問3)反発係数が e = 0 であり、小物体A、Bと水平面の動摩擦係数はともに μ′ である場合を考える。xl + d において小物体Bに初速度 - v を与えたところ、Bは小物体Aに衝突した。その直前の小物体Bの速度は8である。AとBは衝突後一体となって運動し、徐々に速さが減少して、ばねが長さ L だけ縮んだ所で止まった。Bに最初に与えた速さ v の2乗を L で表すと v2 = 9となる。小物体A、Bがこの位置で静止するための静止摩擦係数の最小値は10である。

#近畿大14

1
衝突直後はばねの力は発揮されてないので、この段階では単なる物体AとBの衝突とみなせます。

衝突前の運動量の和: M⋅0 + m⋅(- v)

衝突後の運動量の和: MvA + mvB

運動量保存の法則より、

    M⋅0 + m⋅(- v) = MvA + mvB

 ∴  - mv = MvA + mvB  ……①

また、2物体の反発係数の式 e = - \(\large{\frac{v_1{'}-v_2{'}}{v_1-v_2}}\) にそれぞれの値を代入すると、

    e = - \(\large{\frac{v_{\rm{A}}-v_{\rm{B}}}{0-(-v)}}\)

 ∴  - ev = vA - vB

 ∴  vB = vA + ev  ……②

②式を①式に代入すると、

    - mv = MvA + m(vA + ev)

 ∴  - mv - emv = (M + m)vA

 ∴  (M + m)vA = - (1 + e)mv

 ∴  vA = - \(\large{\frac{(1+e)m}{M+m}}\)v

 

2
上の答えを②式に代入すると、

    vB = - \(\large{\frac{(1+e)m}{M+m}}\)v + ev

      = - \(\large{\frac{(1+e)m}{M+m}}\)v + \(\large{\frac{M+m}{M+m}}\)ev

      = \(\large{\frac{(-1-e)m+(M+m)e}{M+m}}\)v

      = \(\large{\frac{-m-em+eM+em}{M+m}}\)v

      = \(\large{\frac{eM-m}{M+m}}\)v

 

3
衝突した後は物体Bは物体Aとは無関係になります。

力学的エネルギー保存の観点から、どれくらい縮むのか探ります。

ばねの最大の縮み幅を l1 としますと、

自然長の位置での物体Aの力学的エネルギー: (運動エネルギー)+(弾性エネルギー)= \(\large{\frac{1}{2}}\)MvA2 + 0

l1 だけ縮んだ位置での物体Aの力学的エネルギー: (運動エネルギー)+(弾性エネルギー)= 0 + \(\large{\frac{1}{2}}\)kl12

力学的エネルギー保存の法則より、上の2つは等しいから、

    \(\large{\frac{1}{2}}\)MvA2 + 0 = 0 + \(\large{\frac{1}{2}}\)kl12

 ∴  \(\large{\frac{1}{2}}\)MvA2 = \(\large{\frac{1}{2}}\)kl12

 ∴  MvA2 = kl12

 ∴  l12 = \(\large{\frac{M}{k}}\)vA2

 ∴  l1 = \(\sqrt{\frac{M}{k}}\)vA

 

4
水平ばね振り子の周期は T = 2π\(\sqrt{\large{\frac{m}{k}}}\) で表され、本問の値を当てはめますと、

    2π\(\sqrt{\large{\frac{M}{k}}}\)

ですが、この周期というのは1往復に掛かる時間のことであり、求める時間はこれの \(\large{\frac{1}{4}}\) でありますので、

答えは  \(\large{\frac{π}{2}}\sqrt{\large{\frac{M}{k}}}\)

(問2)反発係数が e = 0 で、水平面はなめらかである場合、小物体AとBは衝突後一体となって運動する。衝突後、ばねは5v だけ縮み、また伸びていく。小物体が衝突後に初めて x = l を通過するのは、衝突した瞬間から測って6後であり、 小物体BがAから離れる位置は x = 7である。

5
一体となった物体AとBの速度を V として、問1と同じ要領で解いていきます。

衝突前の運動量の和: M⋅0 + m⋅(- v)

衝突後の運動量の和: MV + mV

運動量保存の法則より、

    M⋅0 + m⋅(- v) = MV + mV

 ∴  - mv = (M + m)V

 ∴  V = - \(\large{\frac{m}{M+m}}\)v  ……③

ばねの最大の縮み幅を l2 としますと、

自然長の位置での物体ABの力学的エネルギー: (運動エネルギー)+(弾性エネルギー)= \(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)V2 + 0

l2 だけ縮んだ位置での物体ABの力学的エネルギー: (運動エネルギー)+(弾性エネルギー)= 0 + \(\large{\frac{1}{2}}\)kl22

力学的エネルギー保存の法則より、上の2つは等しいから、

    \(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)V2 + 0 = 0 + \(\large{\frac{1}{2}}\)kl22

 ∴  \(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)V2 = \(\large{\frac{1}{2}}\)kl22

 ∴  l22 = \(\large{\frac{(M+m)}{k}}\)V2  ③式を代入して

      = \(\large{\frac{(M+m)}{k}}\)\(\big\{\large{\frac{m}{M+m}}\small{v}\big\}^2\)

      = \(\large{\frac{(mv)^2}{k(M+m)}}\)

 ∴  l2 = \(\large{\frac{mv}{\sqrt{k(M+m)}}}\)

 

6
水平ばね振り子の周期は T = 2π\(\sqrt{\large{\frac{m}{k}}}\) で表され、本問の値を当てはめますと、

    2π\(\sqrt{\large{\frac{M+m}{k}}}\)

ですが、この周期というのは1往復に掛かる時間のことであり、求める時間はこれの \(\large{\frac{1}{2}}\) でありますので、

答えは  \(π\sqrt{\large{\frac{M+m}{k}}}\)

 

7
小物体BがAから離れるときというのは、単振動するばねの加速度が負(左向き)になった瞬間です。単振動の加速度は(x = l の地点を中心として考えた場合に)変位が負のとき正で、変位が正のとき負、です。つまり、x = l の地点で加速度は正から負に切り替わります。この瞬間、小物体BがAから離れます。

答えは x = l

(問3)反発係数が e = 0 であり、小物体A、Bと水平面の動摩擦係数はともに μ′ である場合を考える。xl + d において小物体Bに初速度 - v を与えたところ、Bは小物体Aに衝突した。その直前の小物体Bの速度は8である。AとBは衝突後一体となって運動し、徐々に速さが減少して、ばねが長さ L だけ縮んだ所で止まった。Bに最初に与えた速さ v の2乗を L で表すと v2 = 9となる。小物体A、Bがこの位置で静止するための静止摩擦係数の最小値は10である。

8
求める速度を vB' とします。

あらい水平面を進む物体』、『ΔE = W の式』、qG7FA を参考にしてエネルギー保存の式を立てますと、

    (運動エネルギーの減少分)= (摩擦力がした仕事)

 ⇔  \(\large{\frac{1}{2}}\)m(- v) 2 - \(\large{\frac{1}{2}}\)mvB' 2 = μ′mg × d

 ∴  v 2 - vB' 2 = 2μ′gd

 ∴  vB' 2 = v 2 - 2μ′gd

 ∴  vB' = - \(\sqrt{v^2-2μ'gd}\)   (∵ vB' < 0)

(近畿大学が示す解答は \(\sqrt{v^2-2μ'gd}\) となっているのですが、「速度」を問われているところを、いま小物体Bは負の方向に進んでいるので厳密には負のはずです。もしかすると問題文作成時の誤植かもしれません。問題文が「速さ」となっていれば正解は \(\sqrt{v^2-2μ'gd}\) です。)

 

9
一体となった物体AとBの速度を V' と置き、15と同じ要領でこの V' を求めますと、

衝突前の運動量の和: M⋅0 + mvB'

衝突後の運動量の和: MV' + mV'

運動量保存の法則より、

    M⋅0 + mvB' = MV' + mV'

 ∴  mvB' = (M + m)V'

 ∴  V' = \(\large{\frac{m}{M+m}}\)vB'  8の答えを代入して

 ∴  V' = - \(\large{\frac{m}{M+m}}\)\(\sqrt{v^2-2μ'gd}\)  ……④

次に、358qG7F6 を参考にしながらエネルギー保存の式を立ててみます。

自然長の位置での物体ABの力学的エネルギー: (運動エネルギー)+(弾性エネルギー)= \(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)V'2 + 0

L だけ縮んだ位置での物体ABの力学的エネルギー: (運動エネルギー)+(弾性エネルギー)= 0 + \(\large{\frac{1}{2}}\)kL2

L だけ進む間に摩擦力がした仕事: μ'(M + m)g × L

エネルギー保存の式を立てますと、

    (力学的エネルギーの減少分)= (摩擦力がした仕事)

 ⇔  (自然長での力学的エネルギー)-(L だけ縮んだ位置での力学的エネルギー)= (摩擦力がした仕事)

 ⇔  \(\Big[\)\(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)V'2 + 0\(\Big]\) - \(\Big[\)0 + \(\large{\frac{1}{2}}\)kL2\(\Big]\) = μ'(M + m)g × L

 ∴  \(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)V'2 - \(\large{\frac{1}{2}}\)kL2 = μ'(M + m)gL  ④式を代入して

 ∴  \(\large{\frac{1}{2}}\)(M + m)\(\Big[\)- \(\large{\frac{m}{M+m}}\)\(\sqrt{v^2-2μ'gd}\)\(\Big]^2\) - \(\large{\frac{1}{2}}\)kL2 = μ'(M + m)gL

 ∴  (M + m)\(\Big[\)- \(\large{\frac{m}{M+m}}\)\(\sqrt{v^2-2μ'gd}\)\(\Big]^2\) - kL2 = 2μ'(M + m)gL

 ∴  \(\large{\frac{m^2}{M+m}}\)(v2 - 2μ'gd) - kL2 = 2μ'(M + m)gL

 ∴  \(\large{\frac{m^2}{M+m}}\)(v2 - 2μ'gd) = kL2 + 2μ'(M + m)gL

 ∴  (v2 - 2μ'gd) = \(\large{\frac{M+m}{m^2}}\)kL2 + 2μ'\((\large{\frac{M+m}{m}})\)2gL

 ∴  v2 = \(\large{\frac{M+m}{m^2}}\)kL2 + 2μ'gd + 2μ'\((\large{\frac{M+m}{m}})\)2gL

 ∴  v2 = \(\large{\frac{M+m}{m^2}}\)kL2 + 2μ'g\(\Big[\)d + \((\large{\frac{M+m}{m}})\)2L\(\Big]\)

 

10
L だけ縮んだ後、右に押そうとする弾性力と、それを邪魔する摩擦力のせめぎ合いが起こるわけですが、摩擦力が強ければそのまま止まりますし、摩擦力が弱ければ再び右に向かって動き出します。この境目となるような場合の静止摩擦係数を求めよ、というのが題意です。

L だけ縮んだばねの弾性力

    kL

静止摩擦係数を μ としますと、物体ABと水平面との最大静止摩擦力

    ( μN ) = μ(M + m)g

この最大静止摩擦力が弾性力以上の大きさであれば物体ABは動かないから、

    μ(M + m)gkL

 ∴  μ \(\large{\frac{kL}{(M+m)g}}\)