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図5はある小規模な水力発電所の概略を示す。川から供給される水は貯水槽に貯えられたあと、導水管を通って 17m の高さを落下し、毎秒 30kg の水が発電機に導かれる。この発電所で実際に得られた電力は 2.2kW であった。この大きさは、貯水槽と発電機の間における水の位置エネルギーの減少分が、すべて電気エネルギーに変換された場合に得られる電力の大きさの約何%か。最も適当な数値を、下の①~⑤のうちから一つ選べ。ただし、重力加速度の大きさを 9.8m/s2 とする。

図 5

① 11  ② 26  ③ 37  ④ 44  ⑤ 50

#センター09本試

17m の高さにある 30kg の水の位置エネルギー

  (mgh) = 30 × 17 × 9.8 = 4998 [J]

これが1秒当たりの水の位置エネルギーの減少分です。4998J/s です。

2.2kW(キロワット)の電力というのは 2200W の電力であり、[W] = [J]/[s] であるから、2200J/s であり、これが1秒当りの電気エネルギーです。

比率を求めますと、

    \(\large{\frac{2200}{4998}}\) × 100 ≒ \(\large{\frac{2200}{5000}}\) × 100 = \(\large{\frac{4400}{10000}}\) × 100 = 44 [%]

答え ④ 44%

 

高校物理では主にMKS単位系を用います。長さは メートル[m] 、質量は キログラム[kg] 、時間は 秒[s] です。1km でしたら 1000m に、500g でしたら 0.5kg に、3分でしたら 180秒 に直さなければなりません。比率を求める場合は、分母と分子が同じ単位になっているなら直さなくてもいいですが、本問の場合、水の位置エネルギーの減少分を J/s としたので、電気エネルギーの方も [kW] を [W] に直して [J/s] に変換できるようにしなければなりません。