点Oを中心とする半径 3.0cm の一様な厚さの円板がある。図3のように、点O'を中心とし、その円板に内接する半径 2.0cm の円板Aを切り取った。残った物体B(灰色の部分)の重心をGとする。直線O'O上にある重心Gの位置と、OG間の距離の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。
重心Gの位置 | OG間の距離〔cm〕 | |
---|---|---|
① | 点Oの右側 | 0.4 |
② | 点Oの右側 | 0.8 |
③ | 点Oの右側 | 1.2 |
④ | 点Oの右側 | 2.2 |
⑤ | 点Oの左側 | 0.4 |
⑥ | 点Oの左側 | 0.8 |
⑦ | 点Oの左側 | 1.2 |
⑧ | 点Oの左側 | 2.2 |
#センター18本試物理
物体Bの重心であるGの位置については直観的に点Oの 右側 とわかると思います。左側ということはありえません。
物体Aについて考えてみますと、その重心は点O'であるわけですが、仮に円盤が 1cm2 あたり 1kg の質量であったとすると物体Aの質量は 2.0×2.0×\(π\) = 4.0\(π\) [kg] であり 円の面積 \(πr^2\) 、重心について考えるときに、点O'に 4.0\(π\) kg の質量のものがあるとみなすことができます。
同様に物体Bについて考えてみますと、その面積は 3.0×3.0×\(π\) - 2.0×2.0×\(π\) = 9.0\(π\) - 4.0\(π\) = 5.0\(π\) であり、質量は 5.0\(π\) kg ということになり、点Gに 5.0\(π\) kg の質量のものがあるとみなせます。
物体Aと物体Bが合わさると元の円盤になるわけですが、その重心は点Oであるわけなので、
点O'にある 4.0\(π\) kg の物体と点Gにある 5.0\(π\) kg の物体の2つの物体の重心が点Oの位置である、ということになります。
天秤を想像して暗算でOG間の距離(\(x\) とおく)を導き出しますと、回転軸からの距離は重さの逆比だから、
\(4.0π : 5.0π = x : 1.0\)
∴ \(x\) = 0.8 [cm]
重心の位置の式を立てて求めるとすれば、点Oを原点としてp>
\(0 = \large\frac{4.0π(-1.0)\ +\ 5.0πx}{4.0π\ +\ 5.0π}\)
∴ \(0 = -4.0\ +\ 5.0x\)
∴ \(5.0x = 4.0\)
∴ \(x = 0.8\)
もし左端を原点として式を立てるなら
\(3.0 = \large\frac{4.0π×2.0\ +\ 5.0π(3.0+x)}{4.0π\ +\ 5.0π}\)
∴ \(27 = 8 + 15 + 5x\)
∴ \(5x = 27 - 23\)
∴ \(x = 0.8\)
となります。
答えは ② です。