20℃、熱容量 160J/K の器に、80℃、160g のスープを注いでしばらく待ったところ、全体の温度は等しくなった。その温度の値はいくらか。ただし、スープは均質であり、その比熱(比熱容量)は 4.0J/(g⋅K) とする。また、蒸発の影響や、スープおよび器と外部の間の熱の出入りは無視できるものとする。
#共テ24本試物理基礎
常温くらいの器に熱いスープを注いで、器とスープの温度が等しくなるまで待った、という話ですが、これはスープから器へいくらかの熱量が移ったということです。
熱量 \(Q\) は熱容量 \(C\) を用いて
\(Q = CΔT\)
と表せますが(\(ΔT\) は温度の変化量)、熱容量 \(C\) は質量 \(m\) と比熱 \(c\) を掛けたものなので
\(Q = mcΔT\)
とも表せます。
求める温度を \(T\) とおきますと、
器が得た熱量 \(Q_器\) は \(Q = CΔT\)に各値を代入して
\(Q_器 = 160 × (T-20)\) 変化量なので ℃ を K に変換する必要はありません
であり、スープが失った熱量 \(Q_{スープ}\) は \(Q = mcΔT\)に各値を代入して
\(Q_{スープ} = 160 × 4.0 × (80-T)\)
であり、熱量保存の法則より器が得た熱量 \(Q_器\) とスープが失った熱量 \(Q_{スープ}\) は等しいので、
\(160 × (T-20) = 160 × 4.0 × (80-T)\) 160を消去して
∴ \(T-20 = 4.0 × (80-T)\) 移項して
∴ \(5T = 320 + 20\)
∴ \(T = {\large\frac{340}{5}} = 68\)
答えは 68℃ です。