つり合いと作用・反作用の区別

力のつり合いと作用・反作用の法則の区別

念のため説明

力のつり合い作用・反作用の法則はとても似ていて区別がつきにくいです。細かいことは気にしなくてもいいという考え方もあるかもしれませんが、テストに出ると困るので本項にて見分け方を説明いたします。

前項のモデル

前項で示した左図のようなモデルを考えます。

 ・地球が重りを下に引っ張る力重力のことです。5.3.4.2 万有引力 の「重力」の項参照。閉じるロープが重りを上に引っ張る力つり合っていて、重りが静止している

 ・重りがロープを引き下げようとする力反作用ロープが重りを引き上げようとする力である

 ・重りがロープを引っ張る力杭がロープを引っ張る力つり合っていて、ロープが静止している

  (あと見落としがちなのが)
 ・地球が重りを下に引っ張る力反作用重りが地球を上に引っ張る力物理に慣れてない方には馴染みのない考え方かもしれません。5.3.4.2 万有引力 の「重力」の最後の方の説明をお読みください。閉じるである

というようなことがいえます。

要は

つり合いといったら、 1つの物体に複数の力がはたらいていてその合力が 0 ということで、

作用・反作用といったら、 2つの物体が相手に作用を及ぼし合うことです。

運動の状態が変化している最中

そして、つり合いの場合は物体の運動の状態は変化しませんが、作用・反作用の場合は物体の運動の状態が変化している最中でも成り立ちます。

これは、前項で考えたモデルの内、杭が無くなって重りが落下するような場合がそうです。この場合も作用・反作用の法則は成り立っています。重力による落下ですから速度が増していく運動です。

運動の状態が変わる場合は力のつり合いは成り立ちませんが、作用・反作用の法則は成り立っているのです。

落下している最中も重りと地球は作用・反作用により同じ大きさの力で引き合っています。地球はあまりにも大きく、重いので固定されてるように感じますが、観測できないほどわずかに引き上げられます。

別の例として、
宇宙空間に鉄球が浮いていてそれを宇宙飛行士が横に動かす、というようなとき、このときも作用・反作用の法則は生きています。宇宙飛行士は手に反作用の力を受けます。手に力を感じるのです。無重力空間だからといってまったく無抵抗で鉄球を動かせるわけではありません。鉄球が加速している最中も作用・反作用の法則は成り立っています。力のつり合いは成り立っていません。

他の例

他に例を2つ挙げてみます。

スケボーに乗った人が電柱にくくり付けられたロープを引っ張ると、その反作用の力によってスケボーに乗った人は電柱に近づけられます。スケボーが動き出すので、スケボーに関しては力のつり合いは成り立っていません。電柱は動かないので力のつり合いが成り立っているといえます。

地面に重りが置かれている場合、上で説明した重力による作用反作用の力ともう一つ別の作用・反作用の力があります。

それは重りが地面を押す力地面が重りを押し返す力です。

これらの組とオレンジの組は大きさも向きも同じなので同等のものと見なせるかもしれませんが、厳格な先生は明確に区別してテストに出題するかもしれないので、いちおう覚えてください。

力のつり合いの観点からいえば、

がつり合っているので重りが静止しています。

オレンジがつり合っているので地球が静止しています。

なお、地面が重りを押し返す力については名前がついていて、垂直抗力といいます。物体が平面に接触しているとき、平面が物体を押し返す力のことです。摩擦力について考えるときにも出てきます。