原子核がもつエネルギーは、ばらばらの状態にある核子がもつエネルギーの和よりも小さい。このエネルギー差 \(ΔE\) を結合エネルギーという。原子番号 \(Z\)、質量数 \(A\) の原子核の場合、原子核の質量を \(M\)、陽子と中性子の質量をそれぞれ \(m_\rm{p}\)、\(m_\rm{n}\) とするとき、\(ΔE\) を表す式として正しいものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。ただし、真空中の光の速さを \(c\) とする。
① \(\{A(m_{\rm{p}} + m_{\rm{n}}) - AM\}c^2\) ② \(\{Zm_{\rm{p}} + (A - Z)m_{\rm{n}} - AM\}c^2\)
③ \(\{A(m_{\rm{p}} + m_{\rm{n}}) - M\}c^2\) ④ \(\{Zm_{\rm{p}} + (A - Z)m_{\rm{n}} - M\}c^2\)
⑤ \(\{(A - Z)m_{\rm{p}} + Zm_{\rm{n}} - AM\}c^2\) ⑥ \(\{Zm_{\rm{p}} + Am_{\rm{n}} - AM\}c^2\)
⑦ \(\{(A - Z)m_{\rm{p}} + Zm_{\rm{n}} - M\}c^2\) ⑧ \(\{Zm_{\rm{p}} + Am_{\rm{n}} - M\}c^2\)
#センター17本試物理
『結合エネルギー』で説明したように、結合エネルギーというのは質量欠損 \(ΔM\) に \(c^2\) を掛けたものです。
また、『質量欠損』で説明したように、質量欠損というのは \(ΔM = Zm_{\rm{p}} + (A-Z)m_{\rm{n}} - M\) です。
つまり、
\(ΔE = \{Zm_{\rm{p}} + (A - Z)m_{\rm{n}} - M\}c^2\)
です。
答えは ④ です。