qO452

光電効果に関する次の問い(問1~3)に答えよ。

 

(問1)次の文章中の空欄に入れる語および式の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。

光電効果は、金属などに光を当てると瞬時に電子がその表面から飛び出してくる現象であり、光のによって説明される。金属に振動数 \(ν\) の光を当てたとき、金属内の電子が1個の光子を吸収すると、電子は \(E\) = のエネルギーを得る。金属の仕事関数が \(W\) であるとき、金属から飛び出した直後の電子の運動エネルギーの最大値はである。ただし、プランク定数を \(h\) とする。

波動性 \(hν\) \(E+W\)
波動性 \(hν\) \(E-W\)
波動性 \(\large\frac{h}{ν}\) \(E+W\)
波動性 \(\large\frac{h}{ν}\) \(E-W\)
粒子性 \(hν\) \(E+W\)
粒子性 \(hν\) \(E-W\)
粒子性 \(\large\frac{h}{ν}\) \(E+W\)
粒子性 \(\large\frac{h}{ν}\) \(E-W\)

 

 

(問2)図1のような装置で光電効果を調べる。電極bは接地されており、直流電源の電圧を変えることにより電極aの電位 \(V\) を変えることができる。単色光を光電管に当て、\(V\) と光電流 \(I\) の関係を調べたところ、図2のグラフが得られた。このとき、光電効果によって電極bから飛び出した直後の電子の速さの最大値を表す式として最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。ただし、電気素量を \(e\)、電子の質量を \(m\) とし、電極aでの光電効果は無視できるものとする。

図 1
図 2

① \(\large\frac{eI_0}{2m}\) ② \(\large\frac{2eI_0}{m}\) ③ \(\sqrt{\large\frac{eI_0}{2m}}\) ④ \(\sqrt{\large\frac{2eI_0}{m}}\)

⑤ \(\large\frac{eV_0}{2m}\) ⑥ \(\large\frac{2eV_0}{m}\) ⑦ \(\sqrt{\large\frac{eV_0}{2m}}\) ⑧ \(\sqrt{\large\frac{2eV_0}{m}}\)

 

 

(問3)次の文章中の空欄に入れる語句の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑨のうちから一つ選べ。

上の図1の装置の光源を、単色光を発する別の光源に交換し、\(V\) と \(I\) の関係を調べたところ、図3の破線の結果が得られた。図3の実線は交換前の \(V\) と \(I\) の関係を示している。このグラフから次のことがわかる。交換後の光の振動数は、。また、単位時間あたりに電極bに入射する光子の数は、

図 3
交換前より小さい 交換前より少ない
交換前より小さい 交換前と等しい
交換前より小さい 交換前より多い
交換前と等しい 交換前より少ない
交換前と等しい 交換前と等しい
交換前と等しい 交換前より多い
交換前より大きい 交換前より少ない
交換前より大きい 交換前と等しい
交換前より大きい 交換前より多い

#センター16本試物理

(問1)『光電効果の奇妙な性質』で説明したとおり、金属などに光を当てると瞬時に電子がその表面から飛び出してくる光電効果という現象は、光の 粒子性 によって説明されます。

1個の光子のエネルギーは \(hν\) [J] です

光量子仮説による光電効果の説明』で説明したとおり、電子の運動エネルギーの最大値は \(K_{\rm{\small M}} = hν - W\) であり、問題文より \(hν = E\) なので \(K_{\rm{\small M}}\) = \(E - W\) です。

答えはです。

 

 

(問2)『\({\large\frac{1}{2}}mv^2\) = \(mgh\) のような話』で説明しましたが、電子の速さが最大のときの運動エネルギーは

   \(K_{\rm{\small M}}\) = \({\large\frac{1}{2}}mv^2\) = \(eV_{\rm{\small B}}\)

です。いまは \(V_{\rm{\small B}}\) が \(V_{\rm0}\) であるので

   \(K_{\rm{\small M}}\) = \({\large\frac{1}{2}}mv^2\) = \(eV_{\rm0}\)

です。これを変形して \(v\) を求めると、

  \(v^2\) = \({\large\frac{2eV_\rm{\small 0}}{m}}\)

∴ \(v\) = \(\sqrt{{\large\frac{2eV_\rm{\small 0}}{m}}}\)

答えはです。

 

 

(問3)『光電管による光電効果』において4種類の実験を紹介しました。

  1. しぼりもフィルターも固定
  2. しぼりを変える
  3. フィルターを変える
  4. 陰極の金属の種類を変える

図3のグラフは曲線が上下に移動する図になっていますが、上記の4種のうち、単純に電流が大きくなったり小さくなったりするのは「しぼりを変える」実験です。しぼりを変えるということは別に 振動数は変えているわけではありません 。振動数を変えるというのはフィルターの色を変えるということですが、そのような場合はグラフは曲線が左右に移動するような図になります。本問の実験ではしぼりを用いたわけではありませんが、それと同等のことをした(振動数は変えずに光量を小さくした)ということです。

しぼりを小さくするのと同等のことをすれば、当然入射する光子の数は 少なく なります。

答えはです。