次の文章中の空欄ア・イに入れる数値の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。
質量 60kg の物体を標高 176m の地点から標高 3776m の富士山山頂まで運ぶと、物体のもつ重力による位置エネルギーはアJ だけ増加する。この増加したエネルギーを電気エネルギーにすべて変換できるものとすると、消費電力 60W の電球を最長で約イ時間点灯させることができる。ただし、重力加速度の大きさを 9.8m/s2 とする。
ア | イ | |
---|---|---|
① | 2.2×105 | 1 |
② | 2.2×105 | 10 |
③ | 2.2×105 | 100 |
④ | 2.1×106 | 1 |
⑤ | 2.1×106 | 10 |
⑥ | 2.1×106 | 100 |
#センター16追試物理基礎
ア
標高 176m の地点の質量 60kg の物体の重力による位置エネルギー(mgh)は
mgh の単位は
[kg] × [m/s2] × [m]
です。
60 × 9.8 × 176 [J]
標高 3776m の地点の質量 60kg の物体の重力による位置エネルギーは60 × 9.8 × 3776 [J]
その差は
60 × 9.8 × 3776 - 60 × 9.8 × 176
= 60 × 9.8 × (3776 - 176)
= 60 × 9.8 × 3600
= 6 × 98 × 3600
= 6 × 3600 × 98
= 6 × 36 × 98 × 100
= 216 × 98 × 100
= 216 × (100 - 2) × 100
= (21600 - 432) × 100
= 21168 × 100
≒ 2.1 × 106 [J]
イ
消費電力(電力)というのは電力量(エネルギー)を時間(秒)で割ったものです。消費電力を P 、電力量(エネルギー)を W 、時間(秒)を t と置きますと、
P = \(\large{\frac{W}{t}}\)
の関係があります。変形しますと、
t = \(\large{\frac{W}{P}}\)
W に 60 × 9.8 × 3600 [J] 、P に 60 [W] を代入しますと、
t = \(\large{\frac{60 × 9.8 × 3600}{60}}\)
いま、”秒”ではなく”時間”を聞かれているから、これを 3600 で割って、
\(\large{\frac{60 × 9.8 × 3600}{60 × 3600}}\) = 9.8 ≒ 10 [時間]
答えは ⑤ です。