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プールから帰ってきたAさんが、同級生のBさんと熱に関する会話を交わしている。次の会話文を読み、下線部に誤りを含むものを①~⑤のうちから二つ選べ。ただし、解答番号の順序は問わない。

Aさん:プールで泳ぐのはすごくいい運動になるよね。ちょっと泳いだだけでヘトヘトだよ。水中で手足を動かすのに使ったエネルギーは、いったいどこにいってしまうんだろう?

Bさん:水の流れや体が進む運動エネルギーもあるし、①手足が水にした仕事で、その水の温度が少し上昇するぶんもあると思うよ。仕事は、熱工ネルギーになったりもするからね。たしか、エネルギーは、②熱エネルギーになってしまうと、その一部でも仕事に変えられないんだったね。

Aさん:物理基礎の授業で、熱が関係するような現象は不可逆変化だって習ったよ。でも、③不可逆変化のときでも熱エネルギーを含めたすべてのエネルギーの総和は保存されているんだよね。

Bさん:授業で、物体の温度は熱運動と関係しているっていうことも習ったよね。たとえば、④1気圧のもとで水の温度を上げていったとき、水分子の熱運動が激しくなって、やがて沸騰するわけだね。

Aさん:それじゃ逆に温度を下げたら、熱運動は穏やかになるんだね。冷凍庫の中の温度は-20℃とか、業務用だともっと低いらしいよ。太陽から遠く離れた惑星の表面温度なんて、きっと、ものすごく低いんだろうね。

Bさん:そうだね、天王星とか、海王星の表面だと-200℃より低い温度らしいね。もっと遠くでは、⑤-300℃よりも低い温度になることもあるはずだよ。そんなところじゃ、宇宙服を着ないと、すぐに凍ってしまうね。

#共テ21本試物理基礎

手足が水にした仕事で、その水の温度が少し上昇する

その通りです。水分子の位置が大きく動くとともに水分子の熱運動が大きくなります。

熱エネルギーになってしまうと、その一部でも仕事に変えられない

そんなことはありません。自動車のエンジンや発電所の蒸気タービンは熱エネルギーを仕事に換える装置です

不可逆変化のときでも熱エネルギーを含めたすべてのエネルギーの総和は保存されている

その通りです。エネルギー保存の法則は物理学で最も基本的な法則です。

1気圧のもとで水の温度を上げていったとき、水分子の熱運動が激しくなって、やがて沸騰する

その通りです。1気圧のもとでは100℃で沸騰します。

-300℃よりも低い温度になることもある

そんなことはありません。この世で一番低い温度が-273.15℃です。それ以下はありません。

というわけで、答えはです。