qG87C

図1のように、x軸上の原点に電気量 Q の正の点電荷を、また、x = d の位置に電気量 \(\large{\frac{Q}{4}}\) の正の点電荷を固定した。

図 1

(問1)図1の x軸を含む平面内の等電位線はどのようになるか。最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。ただし、図中の左の黒丸は電気量 Q の点電荷の位置を示し、右の黒丸は電気量 \(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷の位置を示す。

    

(問2)x軸上で、電気量 Q と \(\large{\frac{Q}{4}}\) の二つの点電荷の間のある位置 x = d' に第3の点電荷を置いたところ、この電荷にはたらく静電気力の合力は 0 となった。このとき。 第3の点電荷の位置 d' はいくらか。正しいものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① \(\large{\frac{1}{4}}\)d ② \(\large{\frac{1}{3}}\)d ③ \(\large{\frac{1}{2}}\)d ④ \(\large{\frac{2}{3}}\)d ⑤ \(\large{\frac{3}{4}}\)d

(問3)問2で第3の点電荷の電気量をある値にすると、x = 0 にある電気量 Q の点電荷にはたらく静電気力の合力は 0 になる。このとき、x = d にある電気量 \(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷にはたらく静電気力の合力はどうなるか。正しいものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 合力は 0 になる。
x軸の正の向きにはたらく。
x軸の負の向きにはたらく。
x軸に垂直な方向にはたらく。
⑤ 問題の条件からだけではわからない。

#センター03本試

(問1)
電気力線は電荷から湧き出すもので、等電位線は電荷を同心円上にくるむものです。ですから、正解は①か②のどちらかです。

そして、等電位線は密なところは電場が強くなっているものですし、Q の方が \(\large{\frac{Q}{4}}\) より、電位が高くなっているはずであり、そのことを示している図は です。(地図の等高線で考えますと、標高が高くなっているのは左側の山)

 

(問2)
第3の点電荷の電気量を q' (q'>0)と置きますと、

Q の点電荷から受ける静電気力

  k\(\large{\frac{Qq'}{d'^2}}\)

\(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷から受ける静電気力は

  k\(\large{\frac{\frac{Q}{4}q'}{(d-d')^2}}\)

この2つの静電気力の合力が 0 なのだから、

    k\(\large{\frac{Qq'}{d'^2}}\) = k\(\large{\frac{\frac{Q}{4}q'}{(d-d')^2}}\)

 ∴  \(\large{\frac{1}{d'^2}}\) = \(\large{\frac{\frac{1}{4}}{(d-d')^2}}\)

 ∴  4(d - d')2 = d'2

 ∴  4(d2 - 2dd' + d'2) = d'2

 ∴  4d2 - 8dd' + 4d'2 = d'2

 ∴  4d2 - 8dd' + 3d'2 = 0

 ∴  3d'2 - 8dd' + 4d2 = 0

 ∴  (3d' - 2d)(d' - 2d) = 0  高校数学の因数分解です。

3d'2 - 8dd' + 4d2 について、

掛けて3、掛けて4になる組合せは
(3  4)
(1  1)
あるいは
(3  2)
(1  2)
で、
この2つのうち、たすき掛けの和が8になるのは
(3  2)
(1  2)
です。
3×2+1×2=8 です。
3×1+1×4 では 8 になりません。

というわけで、
(3d' - 2d)(d' - 2d)
です。

 ∴  d' = \(\large{\frac{2}{3}}\)d、2d

x = 2d の位置に置かれていても静電気力の合力は 0 となるのですが、問題文で、Q の点電荷と \(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷の間、と指定されているので、

答えは ④ \(\large{\frac{2}{3}}\)d です。

 

(余談)
なお、q' は計算途中で消えてしまっていて、これはつまり、無関係ということです。q' がどんな大きさでも、正でも負でも、x = \(\large{\frac{2}{3}}\)d、2d の位置にありさえすれば、静電気力の合力は 0 になります。

そして、x = \(\large{\frac{2}{3}}\)d、2d ということは、Q の点電荷からの距離が \(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷からの距離の2倍ということであり、これは静電気力の式

    F = k\(\large{\frac{q_1q_2}{r^2}}\)

が距離の2乗に反比例していることに依ります。震源の力が4倍であれば、2倍の距離、離れていればつり合いがとれます。このように考えると、この問題は暗算で解くことができます。

問題設定が「Q」 と 「\(\large{\frac{Q}{9}}\)」 であれば、3倍の距離の差がでる位置が答えであり、

    d' = \(\large{\frac{3}{4}}\)d、\(\large{\frac{3}{2}}\)d

と暗算で導き出せます。

(問3)問2で第3の点電荷の電気量をある値にすると、x = 0 にある電気量 Q の点電荷にはたらく静電気力の合力は 0 になる。このとき、x = d にある電気量 \(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷にはたらく静電気力の合力はどうなるか。正しいものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 合力は 0 になる。
x軸の正の向きにはたらく。
x軸の負の向きにはたらく。
x軸に垂直な方向にはたらく。
⑤ 問題の条件からだけではわからない。

クーロンの法則

    F = k\(\large{\frac{q_1q_2}{r^2}}\)

というものは、2つの電荷 q1q2 があるときに、

それぞれの電荷にはたらく力の大きさを表しています。(斥力の場合)

引力の場合ならこうです。

2本の矢印のそれぞれの長さが k\(\large{\frac{q_1q_2}{r^2}}\) であるということです。同じ大きさで、必ず対になっています。作用反作用の法則です。

というわけで、\(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷になんらかの静電気力がはたらいていれば、それと対をなす力がどこかにはたらいているはずです。しかしそのような力はありません。Q の点電荷も第3の点電荷も合力が 0 と言っています。対になるべき力が無いのです。

これはつまり、\(\large{\frac{Q}{4}}\) の点電荷にはたらく合力も 0 になっているということです。答えは です。

 

作用反作用の法則をちゃんと理解しているかを問う、いい問題だと思います。

 

(一つひとつの力を考えてみる)
\(\large{\frac{Q}{4}}\) は Q から力を受けています。(問題文より Q 、\(\large{\frac{Q}{4}}\) は正であるので、この力は斥力)。その大きさを f とします。

その力と対をなす力が Q にはたらいています。

Q にはたらく力の合力は 0 であるから、反対向きに f の力がはたらいているはずです。

この力は q' にはたらく力と対をなしているはずで、(引力になっているはずで、つまり q' は負)、

q' にはたらく力の合力は 0 であるから、反対向きに f の力がはたらいているはずで、

この力は \(\large{\frac{Q}{4}}\) にはたらく力と対をなしているはずです。

というわけで、

\(\large{\frac{Q}{4}}\) には、向きが逆で同じ大きさの2つの力がはたらいています。