横波と縦波
横波と縦波
媒質の揺れる方向が、波の進む向きと垂直である波を横波といい、
媒質の揺れる方向が、波の進む向きと同じである波を縦波といいます。
縦波は密になっている部分と疎になっている部分があるので疎密波ともいいます。
縦波は横波に変換する
縦波(疎密波)は作図するのが難しく、波の様子を読み取るのも困難なので、横波に変換して考えることが多いです。
波が起きてない場合の媒質の位置(基準点)からのズレを見て、
たとえば、
オレンジの棒が右へ 3mm ズレているとすると、これを上への 3mm のズレと変換し、
青の棒が左へ 5mm ズレているとすると、これを下への 5mm のズレと変換します。
進行方向へのズレを上へ、進行方向と逆方向へのズレを下へ、変換です。
すべての点についてこの変換を行うと、
左図のようなグラフが得られます。粗密の状態が横波のグラフへ変換されました。縦波の問題が出題されたらこのような横波のグラフに変換して問題を解きます。
たとえばこのグラフを上の縦波の図と見比べると、赤の部分が密、ピンクの部分が疎、であると分析できます。
人間基準ではない
よくある間違いが、人間を横方向に揺らすのが横波で、縦方向に揺らすのが縦波、という見方です。これは間違いです。あくまでも波の進行方向が基準です。波の進行方向に対して横に揺れれば横波で、進行方向と同じ方向に揺れれば縦波です。
地震の波にはP波とS波がありますが、P波*Primary wave(第一波)。初期微動。
閉じるは縦波で、S波*Secondary wave(第二波)。主要動。
閉じるは横波です。P波が人間を縦に揺らすとは限りませんし、S波が人間を横に揺らすとは限りません。「横波・縦波」と「横揺れ・縦揺れ」は別物です。