モアレ

モアレ

モアレとは

うなり現象は音の世界だけでなく、視覚の世界でも起こります。周期的な模様を2つ重ねると別の周期の模様が現れます。モアレといいます。高校物理の範囲外なのですが、うなりの項で説明したことが別の視点から確認できるので紹介しておきます。


1本差

10px(ピクセル)間隔の模様と9px間隔の模様を重ねると、90px間隔の模様が現れます。

10px間隔の模様と10px間隔の模様。

10px間隔の模様と11px間隔の模様を重ねると、110px間隔の模様が現れます。

赤の11本目と青の10本目が出会います(左端の1本目を0本目と数えてください)。出会うときの本数の差は必ず1本です。

半分の位置

10px間隔の模様と12px間隔の模様を重ねると、120px間隔の模様が現れます、、と思いきや、60px間隔です。赤の6本目と青の5本目が出会います。


px間隔の逆数が振動数

px間隔というのは音波でいうところの周期 T のことです。その逆数が振動数 f です。ですから、10px間隔-9px間隔の作るモアレと10px間隔-11px間隔の作るモアレの周期が同じと考えると間違いです。
 |\(\large{\frac{1}{\color{red}{10}}}\)-\(\large{\frac{1}{\color{blue}{9}}}\)| ≠ |\(\large{\frac{1}{\color{red}{10}}}\)-\(\large{\frac{1}{\color{blue}{11}}}\)|
です。

10px間隔-9px間隔のモアレと周期が同じになるのは、

10px間隔-11.25px間隔のモアレです。


本数の差が繰り返しの回数

任意のある点に着目しますと、その点での赤線と青線の本数の差がモアレの繰り返しの回数になっています。

10px間隔と11px間隔が作る模様において、330pxの位置に着目すると、赤線は33本目、青線は30本目で、その差は3本。モアレの繰り返しの回数は3回です。(左端の1本目を0本目と数えてください)。

この位置を1秒間に例えると、 f = | f1 - f2 | が成り立っていることになります。

なお、330pxの位置に着目するときに、

このように捉えても構いません。

拡大鏡?

拡大鏡のような役割をするこのモアレの原理は、ノギスの副尺等に応用されています。