図1のように、自然の長さが同じでばね定数が \(k\) の3本の軽いばねを水平な天井に等間隔に固定し、ばねの下端に軽い棒を水平に取り付けた。この棒の中央から質量 \(m\) の物体を軽い糸でつるすと、3本のばねはそれぞれ自然の長さから \(l\) だけ伸びて静止した。伸び \(l\) を表す式として正しいものを、下の①~⑤のうちから一つ選べ。ただし、3本のばねは同一鉛直面内にあり、棒は変形しないものとし、重力加速度の大きさを \(g\) とする。
① \(\large\frac{mg}{3k}\) ② \(\large\frac{mg}{2k}\) ③ \(\large\frac{mg}{k}\) ④ \(\large\frac{2mg}{k}\) ⑤ \(\large\frac{3mg}{k}\)
#センター20本試物理基礎
ばね定数が \(k\) で \(l\) だけ伸びているということだから、1本のばねは \(kl\) の力で棒を上向きに引っ張っています(フックの法則)。
ばねは3本あるので合計で \(3kl\) です。
そして物体は棒を下向きに \(mg\) の力で引っ張っています。
3本のばねは静止しているのだから力はつり合っています。力のつり合いの式を書きますと、
\(3kl=mg\)
∴ \(l=\large\frac{mg}{3k}\)
答えは ① です。
(余談:鉛直方向しか考えなくていいのか、剛体の回転の問題ではないのか)
もし棒が変形するとなると、
力の方向が斜めになるので、鉛直成分と水平成分に分解して考えなければなりません。しかし棒は変形しないという前提条件なのでその必要はありません。
また、同じ強さのばねが等間隔に配置されているので棒が回転してしまうようなことはありません。この問題は剛体の力のモーメントを問う問題ではありません。