図5(a)~(C)のように、ばね定数 \(k\) の軽いばねの一端に質量 \(m\) の小球を取り付け、ばねの伸縮方向に単振動させる。(a)~(C)の場合の単振動の周期を、それぞれ \(T_{\rm a}\) 、 \(T_{\rm b}\) 、 \(T_{\rm c}\) とする。\(T_{\rm a}\) 、 \(T_{\rm b}\) 、 \(T_{\rm c}\) の大小関係として正しいものを、下の ①~⑥のうちから一つ選べ。ただし、(a)の水平面、(b)の斜面はなめらかであるとする。
① \(T_{\rm a} > T_{\rm b} > T_{\rm c}\) ② \(T_{\rm c} > T_{\rm b} > T_{\rm a}\) ③ \(T_{\rm b} = T_{\rm c} > T_{\rm a}\)
④ \(T_{\rm a} = T_{\rm b} = T_{\rm c}\) ⑤ \(T_{\rm a} = T_{\rm c} > T_{\rm b}\) ⑥ \(T_{\rm b} > T_{\rm a} = T_{\rm c}\)
#センター19本試物理
(a)のばねには小球にはたらく重力はかかりません。
(b)のばねには小球にはたらく重力に sin30° をかけたものがはたらきます。
(C)のばねには小球にはたらく重力すべてがかかります。
と、考えてみましても、これは意味がありません。
ばねを単振動させたということはこれはばね振り子のことであり、『ばね振り子』項で説明したように、重力がかかっていようといまいとその周期 \(T\) は
\(T = 2π{\sqrt {\large\frac{m}{k}}}\)
です。小球の質量 \(m\) とばね定数 \(k\) だけで周期は決まります。
つまり答えは ④ \(T_{\rm a} = T_{\rm b} = T_{\rm c}\) です。