図5は、熱と仕事の関係を調べるジュールの羽根車の実験の概念図である。容器内には水 500g が入っていて、10kg のおもり二つがゆっくり落下して羽根車を回すようになっている。いま、おもりがともに 10m 落下し、重力のする仕事がすべて水の温度上昇に使われたとすると、水の温度はいくら上昇するか。最も適当な数値を、下の①~⑥のうちから一つ選べ。ただし、重力加速度の大きさを 9.8m/s2 、水の比熱を 4.2J/(g⋅K) とする。
① 16 ② 9.3 ③ 4.7 ④ 1.6 ⑤ 0.93 ⑥ 0.47
#センター09追試
(2×mgh) = 2 × 10 × 9.8 × 10 = 1960 [J]
比熱 4.2J/(g⋅K) の水 500g を Δt ℃ 上昇させるのに必要な熱量は
(Q = mcΔT) = 500 × 4.2 × Δt [J]
重力のする仕事がすべて水の温度上昇に使われたのだから
もし 60% が温度上昇に使われたとするならば、
左式は
500 × 4.2 × Δt = 1960 × \(\large{\frac{60}{100}}\)
となります。
、
500 × 4.2 × Δt = 1960
∴ Δt = \(\large{\frac{1960}{2100}}\) = 0.933…
答えは ⑤ 0.93
重力のする仕事においては質量の単位に [kg] を使っていて、熱量においては質量の単位に [g] を使っています。おかしいように感じるかもしれませんが、比熱を定義するときにそのように設定されているので大丈夫です。