直径 5.0cm で焦点距離が 75cm の凸レンズを使って、スクリーンの上に太陽の実像を映した。レンズの光軸は太陽の中心に向けてあり、スクリーンは光軸に対して垂直に置いてある。太陽の直径は 1.4×109m で、太陽と地球の距離は 1.5×1011m である。実像の直径は何cmか。最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
① 0.011 ② 0.33 ③ 0.70 ④ 1.4 ⑤ 3.5 ⑥ 7.0
#センター15本試物理Ⅰ
レンズの公式(写像公式)
\(\large{\frac{1}{a}}\) + \(\large{\frac{1}{b}}\) = \(\large{\frac{1}{f}}\)
倍率 m = \(\large{\frac{|b|}{a}}\)
に各量を当てはめますと、
\(\large{\frac{1}{1.5×10^{11}×10^{2}}}\) + \(\large{\frac{1}{b}}\) = \(\large{\frac{1}{75}}\)
\(\large{\frac{1}{15×10^{12}}}\) + \(\large{\frac{1}{b}}\) = \(\large{\frac{1}{75}}\)
∴ \(\large{\frac{1}{b}}\) = \(\large{\frac{1}{75}}\) - \(\large{\frac{1}{15×10^{12}}}\)
= \(\large{\frac{10^{12}}{75×10^{12}}}\) - \(\large{\frac{5}{75×10^{12}}}\)
= \(\large{\frac{10^{12}-5}{75×10^{12}}}\)
∴ b = \(\large{\frac{75×10^{12}}{10^{12}-5}}\)
よって倍率は
\(\large{\frac{|b|}{a}}\) = \(\large{\frac{\frac{75×10^{12}}{10^{12}-5}}{1.5×10^{11}×10^{2}}}\)
≒ \(\large{\frac{75}{1.5×10^{11}×10^{2}}}\) ……➊
= \(\large{\frac{50}{10^{11}×10^{2}}}\)
= 5.0×10-12
よって実像の直径は
1.4×109×102 × 5.0×10-12 = 7.0×10-1 = 0.70
答えは ③ 0.70
(十分遠いとき)
観測対象物が十分遠いときは、レンズの公式(写像公式)
\(\large{\frac{1}{a}}\) + \(\large{\frac{1}{b}}\) = \(\large{\frac{1}{f}}\)
において a が十分大きいということであり、b と f がほぼ同じ値になります。
このことを知っていれば、上問において b ≒ 75 であるはずと気付き、➊式がすぐ立式できます。