フレミングの左手の法則
電流は磁場から力を受ける
直線電流の周りには同心円状の磁場(磁界)ができます。
この直線電流を左図のような磁石の間におくと、
磁石は左側へ、電流が流れる導線は右側へ動こうとします。
方位磁針のN極は磁力線の指す方向へ移動しようとし、方位磁針のS極はその反対の方向へ移動しようとします。このことは、方位磁針が小さな磁石であることを考えれば、磁石のN極は磁力線の指す方向へ、磁石のS極は磁力線の反対の方向へ移動しようとするということです。
よって、S極は左に行き、N極も左に行こうとします。(青い磁力線をよく見てください)
もし磁石が固定されていて導線が自由に動ける状態なら、逆に導線が右側へ移動します。
このように電流が流れている導線が磁場から受ける力を電磁力(=電磁気力=ローレンツ力=磁気力=静電気力=クーロン力。高校物理ではこれらを別物として扱いますが、究極的には全て同じものです。大学で学びます)といいます。
私たちの身の回りにある力は、重力か電磁力かのどちらかです。(人間の筋肉の力は実は電磁力だったりします)
教科書の説明
ここまでの説明で理解してもらえればありがたいのですが、一般的な教科書での説明方法も載せておきます。
磁石のN極から上のS極へ向かう磁力線と、導線による円形の磁力線が重ね合わされ、導線の左側では磁場が強められ、導線の右側では磁場が弱められ、
導線の左側では磁力線が密(多い)になり、導線の右側では磁力線が疎(少ない)になり、磁力線がゴムのようにはたらき、導線は右向きに力を受ける。
、、、教科書ではこのように説明されていることが多いです。
上図の中の というマークは、紙面のこちら側から向こう側へ電流が流れているというマークで、
反対に、 というマークは、紙面の向こう側からこちら側に電流が流れているというマークです。
覚え方
上の(a)図の、電流、磁石による磁場、受ける力、のそれぞれの方向を書き出すと左図のようになりますが、
90°回転させると左図のようになります。
これに左手の三本の指を当てはめるのがフレミングの左手の法則です。中指から順番に「電・磁・力」です。親指がいちばん力が入るので「力」、と覚えてください。