交流発電機
継続的に電流を発生させる
『電磁誘導』項で説明した電磁誘導というのは、あくまでも磁束が変化しているときにだけ起こる現象です。
磁石の動きを止めると電流は流れなくなってしまいます。
磁石を動かし続ければ電流は流れ続けます。
あるいはコイルを回転させ続ければ電流は流れ続けます。
交流発電機の原理
N極の磁石とS極の磁石の間に置かれたコイルを回転させる*あるいは、磁石の方を回転させる場合もあります。
閉じることによって交流電流を発生させる装置が交流発電機です。
(分かりやすいようにコイルの半分を黒色に、半分をグレーにして描いてみました)。スリップリングはコイルと一体化していて、一緒に回ります。スリップしながらブラシに接触し続けます。
直流発電機の場合は、整流子とブラシが用いられます。直流発電機においては、コイルに発生する電流の向きが交互に変わるのを、元に戻さなければならない(常にbからaへ流す)からです。
交流発電機においては電流の向きが変わってもそのままでいいので、スリップリングとブラシでO.K.なのです。
磁場とコイル面が垂直になったときに電流の向きが変わります。180°おきです。(『直流発電機』項のイラストに例えれば、bからa、aからb、と180°おきに向きが変わります。)
(ゆっくり再生してみます。)
『直流モーターの原理』と『直流発電機の原理』も合わせてお読みください。
発電所ではこの原理を使って電気を作り出しています。*コイルに接続したタービンに水蒸気を当てて回転させ、電気を作り出しているのが、火力発電所であり原子力発電所です。
水力発電は上から落ちてくる水を当ててコイルを回転させ、風力発電は風を当ててコイルを回転させます。もしかするとコイルではなく磁石の方を回転させているかもしれません。どちらでも同じです。
この原理を使わずに発電しているのは太陽光発電や電池くらいです。
世の中の電気のほとんどはこの原理を使って作られています。
お祭りの屋台の横でみかける発電機はエンジン内で燃料を燃やしてピストンを膨張させクランクシャフトを使ってコイルを回転させてます。
理科実験等で使う手回し発電機は交流発電機でなく直流発電機なのですが、それはスリップリングを整流子に置き換えただけのものです。
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『交流』項で交流発電機によって生じる誘導起電力について説明します。