図5のように、銅製のレールを水平な床の上に平行に固定し、三つの電磁石をレールの間に並べて、レールの上に2本の銅製の棒A、Bをレールに直角になるように乗せた。電磁石にはN極が上になるように直流電源が接続され、またレールには電池とスイッチが接続されている。最初、電磁石には一定の電流を流してあり、スイッチは開いた状態である。
(問4)スイッチをa側に入れて電池に接続した場合、棒Aと棒Bはそれぞれ右、左どちらに動き始めるか。
(問5)次の文章中の空欄ウ~オに入れる語句の組合せとして正しいものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。
最初の図5の状態に戻してからスイッチをb側に入れた。次に、電磁石に流れる電流の大きさを急激に増加させると、レールと2本の棒からなる回路には、上から見て電流がウに流れ、棒Aはエに、棒Bはオに動き始めた。
ウ | エ | オ | |
---|---|---|---|
① | 時計回り | 右 | 右 |
② | 時計回り | 右 | 左 |
③ | 時計回り | 左 | 右 |
④ | 時計回り | 左 | 右 |
⑤ | 反時計回り | 右 | 右 |
⑥ | 反時計回り | 右 | 左 |
⑦ | 反時計回り | 左 | 右 |
⑧ | 反時計回り | 左 | 左 |
#センター08本試
(問4)
スイッチをa側に入れたときの電流の向きは左図のようになります。
電磁石はN極が上向きになるように置かれていますので、フレミングの左手の法則を適用しますと、棒A、棒Bは左図のような向きに力を受けます。
つまり、棒Aは 左 に、棒Bは 右 に動き始めます。
(問5)
スイッチをb側に入れると、電池には接続されていませんが、回路としてひとつながりのループとなります。
電磁石に流れる電流の大きさを急激に増加させると、磁場(磁界)も増加します。
すると、このループに、増加した磁場を打ち消すような電流が発生します。レンツの法則です。電流の向きは右ねじの法則により、 時計回り です。
そして、このとき発生した電流は磁場の中にあるわけですから、フレミングの左手の法則による電磁力を受けます。このとき影響を受ける磁場は、自分で発生させた下向きの磁場ではなく、もともとある上向きの磁場です。
この力がはたらくのはあくまでも、直流電源の電流の大きさを変化させている瞬間だけです。変化させてない瞬間は力は発生しません。これが問4との違いです。問4は変化させてない瞬間にも力が発生しています。
棒Aは 右 に、棒Bは 左 に動きます。
というわけで、答えは ② です。