図2(a)および(b)のように、抵抗値がそれぞれ 10Ω 、20Ω 、40Ω の抵抗R1、 R2、 R3をつなぎ、PQ間に 10V の電圧をかけた。
(問3)図2(a)の場合にR1を流れる電流 Ia 、図2(b)の場合にR1を流れる電流 Ib はそれぞれいくらか。数値の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑨のうちから一つ選べ。
(a)の場合の電流 Ia [A] | (b)の場合の電流 Ib [A] | |
---|---|---|
① | 1.8 | 1.0 |
② | 1.8 | 0.50 |
③ | 1.8 | 0.25 |
④ | 1.0 | 1.0 |
⑤ | 1.0 | 0.50 |
⑥ | 1.0 | 0.25 |
⑦ | 0.14 | 1.0 |
⑧ | 0.14 | 0.50 |
⑨ | 0.14 | 0.25 |
(問4)図2(a)と(b)のそれぞれの場合において、消費電力が最も大きい抵抗はどれか。
#センター15本試物理基礎
(問3)
図2(a)のPQ間の合成抵抗は
R1 + R2 + R3 = 10 + 20 + 40 = 70 [Ω]
ここに 10V の電圧が掛かっているから、電流 Ia は、オームの法則より、
Ia = \(\large{\frac{10}{70}}\) ≒ 0.14285 ≒ 0.14 [A]
図2(b)の回路では抗R1、 R2、 R3共に 10V の電圧が掛かっているから、R1を流れる電流 Ib は、オームの法則より、
Ib = \(\large{\frac{10}{10}}\) = 1.0 [A]
答えは ⑦ です。
(問4)
(a)
R1に掛かる電圧は、オームの法則より、10 × 0.14 = 1.4 [V]
同様に、R2に掛かる電圧は 20 × 0.14 = 2.8 [V]
同様に、R3に掛かる電圧は 40 × 0.14 = 5.6 [V]
電力は電流と電圧を掛けたものだから、
R1の消費電力は 0.14 × 1.4 = 0.196 [W]
R2の消費電力は 0.14 × 2.8 = 0.392 [W]
R3の消費電力は 0.14 × 5.6 = 0.784 [W]
よって消費電力が最も大きいのは R3 。
(計算しなくても暗算できる)
電力というのは P = I2R でもあるので、流れる電流が共通なら抵抗 R の大きさに比例します。
(b)
R1に流れる電流は、問3で求めたように、1.0 [A]
問3と同様に、R2に流れる電流を求めると、\(\large{\frac{10}{20}}\) = 0.50 [A]
同様に、R3に流れる電流を求めると、\(\large{\frac{10}{40}}\) = 0.25 [A]
電力は電流と電圧を掛けたものだから、
R1の消費電力は 1.0 × 10 = 10 [W]
R2の消費電力は 0.50 × 10 = 5.0 [W]
R3の消費電力は 0.25 × 10 = 2.5 [W]
よって消費電力が最も大きいのは R1 。
(計算しなくても暗算できる)
電力というのは P = \(\large{\frac{V^2}{R}}\) でもあるので、電圧が共通なら抵抗 R の大きさに反比例します。
(余談)
ちなみに、
回路(a)の消費電力は 0.196 + 0.392 + 0.784 = 1.372 [W]
回路(b)の消費電力は 10 + 5.0 + 2.5 = 17.5 [W]
であり、(b)の方が大きいです。同じ複数の抵抗に同じ電圧を掛けるとき、直列に接続するより並列に接続した方が電流も消費電力も大きくなります。