次の文章中の空欄キ・クに入れる数値の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。
ニクロム線の両端に電圧を加えて電流を流すと熱が発生する。電圧を変えずに、単位時間に発生する熱量を2倍にするためには、ニクロム線の長さをキ倍にするか、または、ニクロム線の断面積をク倍にすればよい。
キ | ク | |
---|---|---|
① | 2 | \(\large{\frac{1}{2}}\) |
② | 2 | \(\large{\frac{1}{\sqrt{2}}}\) |
③ | 2 | \(\sqrt{2}\) |
④ | 2 | 2 |
⑤ | \(\large{\frac{1}{2}}\) | \(\large{\frac{1}{2}}\) |
⑥ | \(\large{\frac{1}{2}}\) | \(\large{\frac{1}{\sqrt{2}}}\) |
⑦ | \(\large{\frac{1}{2}}\) | \(\sqrt{2}\) |
⑧ | \(\large{\frac{1}{2}}\) | 2 |
#センター16追試物理基礎
発生する熱量というのはジュール熱のことであり、単位時間に発生する熱量というのは電力のことです。
電力 P は、電流 I 、電圧 V 、抵抗 R を用いて
P = IV = I2R = \(\large{\frac{\ V^2}{R}}\)
などと表わすことができますが、このうち電圧と抵抗で表現されるのが
P = \(\large{\frac{\ V^2}{R}}\)
です。
いま、電圧は変えないのであるから、電力は抵抗に反比例することになります。
そして、抵抗というのは、長さ l 、断面積 S 、素材固有の値である抵抗率 ρ を用いて
R = ρ⋅\(\large{\frac{l}{S}}\)
と表せます。長さに比例し、断面積に反比例するのです。
というわけで、単位時間に発生する熱量を2倍にするためには、R を\(\large{\frac{1}{2}}\)にすればよく、ニクロム線の長さを\(\large{\frac{1}{2}}\)倍にするか、または、ニクロム線の断面積を2倍にすればよいとわかります。
答えは ⑧ です。
(中学理科の知識で解ける)
電力というのは電流と電圧を掛けたものであるというのはおなじみだと思います。いま、電圧が一定なのだから、電力を2倍にするには電流を2倍にすればよく、そのためには抵抗を\(\large{\frac{1}{2}}\)にすればいい。抵抗というのは長さに比例し太さに反比例するからニクロム線の長さを\(\large{\frac{1}{2}}\)にするか太さを2倍にすればいい、と簡単に解けると思います。