図1のように、抵抗値を連続的に変えられる抵抗(可変抵抗)に起電力 E の電池と電流計を直列につなぐ。可変抵抗の値を R0 にすると、電流計を流れる電流の大きさは I0 であった。ただし、電池内部の抵抗は無視できるものとする。
(問1)可変抵抗の値を R0 から 2R0 まで変化させたときの電流の大きさの変化を表すグラフとして最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
(問2)抵抗値が R0 の抵抗二つと起電力が E の電池二つを、図2の回路(a)、(b)のように接続する。それぞれの回路で電流計を流れる電流の大きさを Ia 、Ib とするとき、I0 、Ia 、Ib の大小関係として正しいものを、下の①~⑩のうちから一つ選べ。
① Ia = Ib = I0 ② Ia < Ib < I0 ③ Ia < I0 < Ib
④ Ia = I0 < Ib ⑤ Ib < I0 < Ia ⑥ Ib = I0 < Ia
⑦ Ib < Ia < I0 ⑧ I0 < Ib < Ia ⑨ I0 < Ia < Ib
⑩ I0 < Ia = Ib
#センター07本試
(問1)
オームの法則より、電圧が一定のとき、電流は抵抗に反比例するから、電流-抵抗グラフの曲線は双曲線になります。そのようなグラフは ⑤ です。
(確認しますと)
問題文より、抵抗が R0 のとき電流は I0 であり、どのグラフもそうなってますが、ここで、オームの法則より、E の大きさが
E = R0I0
と分かり、可変抵抗を 2R0 にしたときの電流の大きさを I1 としますと、オームの法則より、
I1 = \(\large{\frac{E}{2R_0}}\) = \(\large{\frac{R_0I_0}{2R_0}}\) = \(\large{\frac{1}{2}}\)I0
と分かります。⑤のグラフは確かに 2R0 のときに \(\large{\frac{1}{2}}\)I0 になっています。
(問2)
(I0 の大きさ)
上述の E = R0I0 より、
I0 = \(\large{\frac{E}{R_0}}\)
(Ia の大きさ)
電池二つで 2E であるので、それぞれの抵抗に掛かる電圧の大きさも 2E です
高校物理におけるキルヒホッフの法則に慣れていなければ
このように変形すると、
中学理科と同じ要領で考えられます。
。
それぞれの抵抗の大きさは R0 であるので、各抵抗を流れる電流は、オームの法則より、
\(\large{\frac{2E}{R_0}}\)
キルヒホッフ第1法則より、この電流二つ分が合流して、Ia となるから、
Ia = 2 × \(\large{\frac{2E}{R_0}}\) = 4\(\large{\frac{E}{R_0}}\)
あるいは、
並列接続の合成抵抗を Ra とすると、
\(\large{\frac{1}{R_a}}\) = \(\large{\frac{1}{R_0}}\) + \(\large{\frac{1}{R_0}}\)
∴ Ra = \(\large{\frac{R_0}{2}}\)
ここに 2E の電圧が掛かるから、オームの法則より、
Ia = \(\large{\frac{2E}{\frac{R_0}{2}}}\) = 4\(\large{\frac{E}{R_0}}\)
と計算することも可能です。
(Ib の大きさ)
それぞれの抵抗に掛かる電圧の大きさは E で
高校物理におけるキルヒホッフの法則に慣れていなければ
このように変形すると、
中学理科と同じ要領で考えられます。
、
抵抗の大きさは R0 であるので、各抵抗を流れる電流は、オームの法則より、
\(\large{\frac{E}{R_0}}\)
キルヒホッフ第1法則より、この電流二つ分が合流して、Ib となるから、
Ib = 2 × \(\large{\frac{E}{R_0}}\) = 2\(\large{\frac{E}{R_0}}\)
(というわけで、3つを見比べると答えは)
⑧ I0 < Ib < Ia