図1のように、電圧の最大値が V0 、周期が T の交流電源にダイオードと抵抗を接続した回路を作った。図2は点Bを基準としたときの点Aの電位の時間変化である。ただし、ダイオードは整流作用のみをもつ理想化した素子として考える。
(問1)点Dを基準としたときの点Cの電位の時間変化を表す図として最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
(問2)抵抗での消費電力の時間平均はいくらか。ただし、抵抗の抵抗値を R とする。
#センター15本試物理
(問1)
点Cの電位というのは点Aと同じです。
電流が右回りに流れるときはこんな感じで、
(点A、点Cは同じであり、点B、点Dに比べて正)
左回りに流れるときはこんな感じです。
(点A、点Cは同じであり、点B、点Dに比べて負)
そして、本問の回路ではダイオードの整流作用により電流は左回りにしか流れません。左回りに流れるときは点Aと点Cの電位は負になっています。点Aが正のときは回路に電流が流れないので点Cの電位は 0 です。
点Aと点Cの電位は基本的に同じであるが、点Aが正のときは点Cは 0 ということです。
答えは ⑤ です。
(問2)
交流電源の電圧の実効値(Ve とする)は
Ve = \(\large{\frac{1}{\sqrt{2}\ }}\)V0
であり、回路にダイオードが無い場合の抵抗での消費電力の時間平均(P とする)は
P = \(\large{\frac{{V_\rm{e}}^2}{R}}\) = \(\large{\frac{1}{2}\frac{{V_0}^2}{R}}\)
であり、ダイオードがある場合は半周期ごとにしか電流が流れないから求める消費電力はこれの半分であり、
『交流の実効値』において以下のようなグラフを例示しましたが、
これらが
このようになるということです。
\(\large{\frac{1}{4}\frac{{V_0}^2}{R}}\)