力のモーメントに関する記述として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 釘抜きで釘を抜くとき、支点になるべく近いところを握った方が小さな力で釘が抜ける。
② はさみで硬いものを切るときは、はさみの先の方が切りやすい。
③ 野球のバットの細い端をAが、太い端をBが握って、互いに逆向きにねじろうとすると、Aが有利である。
④ 大人と幼児がシーソーに乗って遊ぶとき、大人は幼児より支点に近づいて座らないとバランスが取れない。
⑤ 重い材木を二人でかつぐとき、材木の重心に近いところをかつぐ人の方が小さな力ですむ。
#センター01本試
力のモーメント(回転力)というのは、力と距離を掛けたものです。支点からの距離が離れているほど力のモーメントは大きくなります(あるいは、大きく「なってしまいます」)。
ビン詰めのジャムの蓋を開けるとき、蓋の大きさが大きい方が力が伝わりやすく開けやすいです。
シーソー勝負において、同じ体重同士なら外側に座った方が有利です。真ん中の支点に対して大きな力を加えられます。
てこの原理を思い出してください。小さい力でも支点から離れることによって重いものを持ち上げることができます。
① 支点に近いところを握ってしまうと大きな力が加えられません。大バールという工具をご存知でしょうか。遠くを持つことによって固い釘を引き抜くことができます。
② はさみの先ということは支点から遠い位置ということであり、力が伝わりにくいです。持つところは支点から遠い方が良いですが、対象物は支点から近い方が良いです。庭木を手入れする刈り込みバサミがそのような形になっています。
③ 上で説明したジャムの蓋の話と同じです。野球で遊んだことが無い人には想像しにくいかもしれませんが、回転軸から離れているところに力を加える方が何でも有利です。この原理は、自転車や自動車の変速機に応用されています。
④ 正解です。バランスを取るためには大人は近くに座るべきです。