qG7F5

箱の中に砂を質量 M だけ入れ、壁との間をばね定数 k のばねでつないだ。箱をつかみ、ばねを自然長から l だけ引き伸ばして静かに手を離したところ。図1のように箱は静止したままであった。ただし、床と箱との間の静止摩擦係数 μ 、動摩擦係数 μ' は場所によらず一定であり、重力加速度の大きさを g とする。また、箱とばねの質量は無視できるものとする。

図 1

(問1)図1の状態で、床が箱に対して及ぼす力の方向はどうなるか。最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

(問2)箱の中の砂を少しずつ取り除く。砂を質量 m だけ取り除いたとき、箱が動き始めた。m はいくらか。

(問3)qG7F6

#センター04追試

(問1)図1の状態で、床が箱に対して及ぼす力の方向はどうなるか。最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

この場面で登場する力は以下の4つです。

㋐:砂の重力

㋑:垂直抗力

㋒:ばねの弾性力

㋓:静止摩擦力

このうち、「箱が床に対して及ぼす力」といえるのは㋑と㋓で、その合力はとしてはが適しています。

この力は『摩擦力』項で説明した抗力のことです。


(問2)箱の中の砂を少しずつ取り除く。砂を質量 m だけ取り除いたとき、箱が動き始めた。m はいくらか。

m だけ取り除いたのだから砂の重力は (M - m)g
それに対抗する垂直抗力も (M - m)g
動き出す直前(=動き出す瞬間)の摩擦力は最大静止摩擦力であり、μ(M - m)g 。動き出す直前はこの摩擦力がばねの弾性力 kl とつり合っているのだから、

    μ(M - m)g = kl

 ∴  M - m = \(\large{\frac{kl}{μg}}\)

 ∴  m = M - \(\large{\frac{kl}{μg}}\)