質問の主旨はおそらく、どこを測ると何が分かるのか、計算式の意味はどういうことか、ということであると予想して、根本原理について説明します。
波長の分かっていないレーザー光の波長が知りたいとします。
レーザー光を2つ同時に同位相で発射します。
するとスクリーンに当たったとき強め合って照射部分は明るくなります。(『干渉の条件』、『ヤングの干渉実験』、『回折格子』、『単スリット』参照)
次に一方のレーザー光の発射位置をずらします。
するとスクリーンでは波は弱め合って照射部分は暗くなります。
さらにレーザー光の発射位置をずらします。
するとスクリーンは再び明るくなります。この明→暗→明を1回とカウントします。
これが3回繰り返されたとき、レーザーの発射位置が何マイクロメートルずれたかを測ります。
d [μm]マイクロメートルずれたのであればレーザー光の波長は d / 3 [μm] と分かります。
こうであるなら話は簡単でした。
しかし、そもそもレーザー光を2つ同時に同位相で発射することができないのです。2つのレーザー発射装置のスイッチを完全に同時に押すことはできません。
これは、『ヤングの工夫』のところで述べた、
「水面波や音波の干渉においては、2つの発振源から、同じ波長、同じ振幅、同じ位相の波を発することが容易でしたが、光波においてはこれが容易ではありません。
これらの問題を解決するために、ヤングは左図のような工夫を施しました。
第一段階目の単スリットで波を1つに絞り、その単スリットから等距離の位置にある2つのスリットに波を通します。すると実質的に、この第二段階目の複スリットからは位相の揃った2つの波が発射されることになります。 」
という話と同じです。
マイケルソンはそこのところを工夫して、マイケルソン干渉計を考案したわけです。マイケルソン干渉計装置に関してはご存知と思うので簡略化して描きます。
スクリーンでの明暗の回数をn 回とし、そのとき可動鏡をずらした距離をd とすると、レーザー光の波長は、
λ = 2d / n となります。
d でなく2d となるのは、この場合、可動鏡を動かすと経路差はその2倍となるからです。
ご質問の意図を予想して回答してみましたが、違いましたら再度質問してください。