qG871

図1のように、100Ω の抵抗R1、200Ω の抵抗R2、およびスイッチS1、S2をつなぎ、AとBの間に 4.8V の電圧をかけておく。

図 1

(問1)スイッチS1だけを閉じたときに、電流が流れるほうの導線の断面を1秒間に通過する電子の個数はいくつか。ただし、電子1個の電荷は - 1.6×10-19C である。

(問2)次に、スイッチS1を閉じたままでスイッチS2を閉じる。このときの、抵抗R1を流れる電流の変化と、抵抗R1、R2で1秒間にそれぞれ発生するジュール熱 Q1Q2 の大小関係についての組み合わせとして正しいものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

抵抗R1を流れる電流 ジュール熱
大きくなる Q1 < Q2
大きくなる Q1 > Q2
変化しない Q1 < Q2
変化しない Q1 > Q2
小さくなる Q1 < Q2
小さくなる Q1 > Q2

#センター06追試

(問1)
まず電流の大きさを求めますと、オームの法則より、

    電流 = \(\frac{電圧}{抵抗}\) = \(\large{\frac{4.8}{100}}\) = 4.8×10-2 [A]

1秒間に 1C の電荷が流れるときの電流の大きさが 1A 、と決められているから、4.8×10-2A では1秒間に 4.8×10-2C の電荷が流れていることになります。

電子1個の電荷の大きさが 1.6×10-19C だから求める電子の個数は

    \(\large{\frac{4.8×10^{-2}}{1.6×10^{-19}}}\) = 3.0×1017 [個]

個数を聞かれているので正負は気にする必要はありませんし、正負を考えるということは電流の向きを考えるということであり、この問題では電流がどちら向きに流れているか分かりません。

 

(問2)
スイッチS2を閉じたとしても抵抗R1の抵抗値は 100Ω で、掛かる電圧は 4.8V です。電流 = \(\frac{電圧}{抵抗}\) であるので、電流に変化はありません

この問題においては、電流の総量が決っているわけではありません。スイッチS2を閉じたらその分、電流が減る、と勘違いしないでください。

また、ジュール熱は

    Q = IVt = I2Rt = \(\large{\frac{\ V^2}{R}}\)t

関係がありQ = \(\large{\frac{\ V^2}{R}}\)t の関係に着目しますと、抵抗R1より抵抗R2の方が値が大きくて、掛かる電圧は両方同じなので、 Q1 > Q2 となります。

あるいは、Q = IVt の関係に着目して、抵抗R2を流れる電流(\(\large{\frac{4.8}{200}}\)=2.4×10-2 [A])の方が小さくて、掛かる電圧が同じなので、Q1 > Q2

よって答えは です。