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図1のような内部が真空のガラス管(真空管)内の電極Aと電極Bの間に高電圧をかけたところ、蛍光板の中心に輝点(蛍光が特に明るい部分)が見えた。このとき電極CD間に電圧はかかっていないとする。

図 1

(問1)次の文章中の空欄に入れる語の組合せとして正しいものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。

 この現象は電極からが放出され、蛍光板に衝突することにより起こっている。今、私たちはの流れであることを知っている。

A ガンマ線 原子核
A 陰極線 原子核
A ガンマ線 電 子
A 陰極線 電 子
B ガンマ線 原子核
B 陰極線 原子核
B ガンマ線 電 子
B 陰極線 電 子

 

(問2)電極CD間に電圧をかけたところ、蛍光板上の輝点が下の方向に移動した。その後、図2のように、U型磁石を置いたところ輝点がさらに動いた。磁石をガラス管の中心軸まわりに回転すると、輝点がCD間に電圧をかける前の場所(蛍光板の中心)に戻るときがあった。

 このときの、電極CD間にかけた電圧と磁石の向きについて正しい組合せを、下の①~④のうちから一つ選べ。ただし、磁石の向きを表す図は、ガラス管を電極Aの側から見たものとする。

 
図 2
    

#センター08追試

(問1)
電極Aは高電圧電源の-極(陰極)につながれています。電極Bは高電圧電源の+極(陽極)につながれています。陰極から放出された電子が蛍光板に当って輝きます。この電子の流れを陰極線といいます。

A   陰極線   電子

答えは

 

陰極線については『陰極線』項で解説しました。当該ページでは陰極線管の陽極の位置が本問とは違いますが原理は同じです。

 

 

(問2)
まず陰極線というのは負電荷である電子の流れのことですから、CD間に電圧をかけた場合、+極側に引き寄せられます。問題文より、下に移動したということですので、C、Dのうちの下のCが+極だと分かります。すなわち①~④の選択肢のうち正解は③か④です。

そして磁石を置いたら陰極線が元の位置に戻ったということですから、上向きの力がはたらいたということです。電子の流れ(電流)に磁場(磁界)が作用して力がはたらいたということはこれはフレミングの左手の法則の話です。陰極線は気体の中を流れる電流といえます。そして電流の向きは電子の流れと逆向きです。電流は蛍光板から電極Aへの方向に向かっていることになります。このことに気を付けながら、フレミングの左手の法則を適用すると、

磁場は、電極Aから見て右向きにはたらいていると分かります。磁力線は磁石のN極から出てS極に向かいますので、このような向きの磁石の置き方はです。『陰極線』項の一番下のイラストとは逆です。