qGBBD

水平な地面に停めたクレーン車で、荷物をつり上げて移動させることを考える。このクレーン車は、図2のように、質量 M1 の車体部と長さ L で質量 M2 の一様なアーム(腕の部分)からなり、車体部はその中心から l の距離にある前後の車輪で支えられている。アームは車体部の前後方向に平行な鉛直面(図の紙面)内でのみ運動し、アームが鉛直方向となす角度 θ が変化する。ただし、θ の変化以外にクレーン車の変形はなく、ロープは質量が無視でき摩擦なく動くものとする。また、上端からロープでつる荷物の質量を m とし、重力加速度の大きさを g とする。

図 2

(問4)
(問5)qGBBC

(問6)次に、ロープを巻き上げて、ある高さで静止していた荷物を鉛直につり上げた。時刻 t における荷物を引き上げる速さ v が図4のように変化したとき、ロープの張力 T の変化を表すグラフとして最も適当なものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。

図 4
      

(問7)qGBBE

#センター08本試

(問6)
図4によって読み取れるのは、始めは徐々に引き上げる速さが増していって、途中で一定の速さになり、終盤で徐々に速さが落ていき、やがて止まる、ということです。決して上昇から下降に変わったということはありません。また、v-tグラフの傾きは加速度を表しますが、その傾きは一定なので(カーブしておらず直線になっている)、加速度は一定であることが分かります。

加速度を a としますと、

 0 ≦ tt1 … a > 0 で一定
 t1tt2 … a = 0 で一定
 t2tt3 … a < 0 で一定  …… ➊

一方、荷物の運動方程式

  ma = T - mg

よって、張力は

    T = m(g + a)

この式の a に上の➊を代入すると、張力 T というのは

 0 ≦ tt1 … 一番大きくて値は一定
 t1tt2 … 中くらいで値は一定
 t2tt3 … 一番小さくて値は一定

となり、このことを表しているグラフはです。

 

T-tグラフというのは、a-tグラフと同等のものなので(上の張力の式において、mg は一定だから、Ta は連動している)、この問題は、v-tグラフから a-tグラフを作れるかということを問いただす問題です。