qGBBE

水平な地面に停めたクレーン車で、荷物をつり上げて移動させることを考える。このクレーン車は、図2のように、質量 M1 の車体部と長さ L で質量 M2 の一様なアーム(腕の部分)からなり、車体部はその中心から l の距離にある前後の車輪で支えられている。アームは車体部の前後方向に平行な鉛直面(図の紙面)内でのみ運動し、アームが鉛直方向となす角度 θ が変化する。ただし、θ の変化以外にクレーン車の変形はなく、ロープは質量が無視でき摩擦なく動くものとする。また、上端からロープでつる荷物の質量を m とし、重力加速度の大きさを g とする。

図 2

(問4)
(問5)qGBBC

(問6)qGBBD

(問7)アームの角度 θ をゆっくり変えて、質量 500kg の荷物を鉛直上方に 1m 、水平に 2m 動かした。このときクレーン車のロープの張力が荷物にした仕事 W は 何J か。ただし、重力加速度の大きさを 9.8m/s2 とする。

#センター08本試

(問7)
張力は常に鉛直上向きなので、張力が荷物にした仕事を考えるときは水平方向の成分は考える必要がありません

また、問題文中に「アームの角度をゆっくり変えて」とあります。「ゆっくり」ということは加速度は 0 とみなすということであり、a = 0 ということは、問6における張力 T = m(g + a) は T = mg ということになります。

仕事は(力)×(距離)なので、

  (力)×(距離)= mg × 1 = 500 × 9.8 × 1 = 1000 × \(\large{\frac{1}{2}}\) × 9.8 × 1 = 1000 × 4.9 = 4.9 × 103 [J]

 

(余談)
もし、質量が 500g だったりしたら 0.5kg に、もし、動かした距離が 30cm だったりしたら 0.3m に直さなければなりません。仕事の単位 [J] の定義は [N] × [m] です。重力の単位 [N] は [kg] × [m/s2] です。