運動方程式
押すと加速する
宇宙空間に浮かぶ鉄球を押すと鉄球は動き出します。加速度が生じるのです。
物体に力を加えると加速度が生じます。
力が大きいほど勢いを増す
物体に加える力が小さいとあまり加速しませんし、大きな力を加えれば大きく加速します。加速度 a [m/s2] は力 F [N] に比例するのです。 a ∝ F 。
グラフで表すと、このようになります。
質量が大きいと動かすのが大変
加速度の大きさを決める要因がもう一つあります。
物体の質量が大きいとなかなか勢いが増しません。同じ力を加える場合、質量が大きい物体はあまり加速しません。加速度 a は質量 m [kg] に反比例するのです。a ∝ \(\large{\frac{1}{m}}\) 。
グラフで表すと、このようになります。
運動方程式
加速度 a が力 F に比例し、質量 m に反比例することを運動の法則、または運動の第2法則といいます。これを式にすると、
a ∝ \(\large{\frac{F}{m}}\) 変形して、
⇒ ma ∝ F 比例定数を k とすると、
⇒ ma = k F
ここで比例定数が 1 になるように、m=1[kg] 、a=1[m/s2] のときの力が F=1[N] である、と定義すると、ma = F と表せます。この式を運動方程式といいます。この、エムエーイコールエフは、高校物理で一番有名な式です。*
覚え方は、F = ma でも f = ma でも構いません。am = F だって構いません。
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この式において、力がベクトルの場合、加速度もベクトルです。物体は力を掛けた方向に加速されます。
運動方程式
m \(\vec{a}\) = \(\vec{F}\)
西向きに 10m/s で運動する 1.0kg の物体に、西向きに 1.0N の力を 1.0秒間加えると、物体の速さは 11m/s になります。*1.0kg の物体に、1.0N の力を加えるのだから、発生する加速度は 1.0m/s2 。
等加速度直線運動の速度の式 v = v0 + a t に代入すると、
v = 10 + 1.0×1.0 = 11
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西向きに 10m/s で運動する 1.0kg の物体に、西向きに 1.0N の力を 0.1秒間加えると、物体の速さは 10.1m/s になります。*a = 1.0
v = v0 + a t = 10 + 1.0×0.1 = 10.1
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西向きに 10m/s で運動する 1.0kg の物体に、東向きに 1.0N の力を 1.0秒間加えると、物体の速さは 9m/s になります。*a = - 1.0
v = v0 + a t = 10 - 1.0×1.0 = 9
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西向きに 10m/s で運動する 10kg の物体に、東向きに 1.0N の力を 1.0秒間加えると、物体の速さは 9.9m/s になります。*a = - 0.1
v = v0 + a t = 10 - 0.1×1.0 = 9.9
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運動の3法則
かのニュートンは1687年に出版したプリンキピアで以下のような運動に関する3つの法則を発表しました。
運動の3法則
運動の第1法則 : 慣性の法則
運動の第2法則 : 運動の法則
運動の第3法則 : 作用・反作用の法則
慣性の法則については前項で、作用・反作用の法則については『作用・反作用の法則』で説明しました。なお、「運動の法則」という言葉は、運動の第2法則のことだけを指す場合と、上の3つの法則全部を指す場合があります。