乾電池により一定の加速度で走行できる機関車の模型がある。図1のように、 この機関車に質量 \(M\) の客車Aと質量 \(m\) の客車Bを軽くて伸びないひも1、2で水平につないだ。機関車と客車A、Bは、水平でまっすぐな線路上を、一定の加速度で右向きに走り出した。ひも1が客車Aを引く力の大きさを \(F\) とし、ひも2が客車Bを引く力の大きさを \(f\) とする。ただし、客車A、Bは線路上をなめらかに動き、車輪の質量および空気抵抗は無視できるものとする。
(問1)ひも2が客車Bを引く力の大きさ \(f\) を式で表せ。
(問2)qO2Ta
#センター19本試物理基礎
(問1)
加速している最中はひも2もひも1もたるむことはありません。つまり3つの物体は距離間を一定に保ったまま進むということです。加速度が共通ということです。この加速度を \(a\) と置きます。
また、ひもがたるまないということはそのひもの張力がどこもかしこも一定ということです。つまり以下のようになります。
このとき勘違いしやすいのが \(f\) と \(F\) が同じになるのではないかということです。これは間違いです。同じになるのは静止しているときの話です。力がつり合うのは静止しているとき(あるいは等速のとき)です。加速している最中はつり合っていません。
客車Bと客車Aを1つの物体とみなして運動方程式を立てますと、 物体内部での \(f\) による引っ張り合いは関係ありません
\((m+M)a = F\) ……①
客車Aの運動方程式を立てますと、
\(Ma = F - f\) ……②
客車Bの運動方程式を立てますと、
\(ma = f\) ……③
③式を変形して①式に代入して \(a\) を消去しますと、
\((m+M){\large\frac{f}{m}} = F\)
∴ \(f= {\large\frac{mF}{M+m}}\)