次の文章は、演劇部の公演の一場面を記述したものである。王女の発言は科学的に正しいが、細工師の発言は正しいとは限らないとして、後の問い(問1~3)に答えよ。
王女役と細工師役が、図1のスプーンAとスプーンBについての言い争いを演じている。
王女:ここに純金製のスプーン(スプーンA)と、あなたが作ったスプーン(スプーンB)があります。どちらも質量は 100.0g ですが、色が少し異なっているように見え、スプーンBは純金に銀が混ぜられているという噂があります。
細工師:いえいえ、スプーンBは純金製です。純金製ではないという証拠を見せてください。
王女は、スプーンBが純金製か、銀が混ぜられたものかを判別するために、スプーンAとBの物理的な性質を実験で調べることにした。
(問1)qO4O7
(問2)
次の文章中の空欄13~15に入れる語句として最も適当なものを、それぞれの直後の{ }で囲んだ選択肢のうちから一つずつ選べ。
王女:ならば、スプーンAとスプーンBの密度を比較すれば、スプーンBが純金製かどうかわかるはずです。
スプーンAとスプーンBを軽くて細いひもでつなぎ、軽くてなめらかに回転できる滑車にかけると、空気中では、図2(i)のようにつりあって静止した。次に、このままゆっくりとスプーンAとスプーンBを水中に入れたところ、図2(ii)のように、スプーンAが下がり容器の底についた。ただし、空気による浮力は無視できるものとする。
王女:スプーンを水中に入れたとき、図2(ii)のようになった理由は、スプーンBにはたらく重力の大きさは、スプーンAにはたらく重力の大きさ13{ ① よりも大きく、 ② よりも小さく、 ③ と同じであり、}
スプーンBにはたらく浮力の大きさは、スプーンAにはたらく浮力の大きさ14{ ① よりも大きい ② よりも小さい ③ と同じである }ためです。
このことから、スプーンBの体積はスプーンAの体積よりも15{ ① 大きく、 ② 小さく、}スプーンAとスプーンBの密度が違うことがわかります。
つまり、スプーンBは純金製ではありません!
細工師:これは、スプーンAとスプーンBの形状が少し違うから…。
細工師は何か言いかけたところで言葉に詰まった。
(問3)qO4O9
#共テ22本試物理基礎
(問2)
図2(ii)のようになった理由は、
スプーンAとスプーンBの質量が同じで、つまりスプーンBにはたらく重力の大きさが、スプーンAにはたらく重力の大きさ13 ③ と同じであり、
スプーンBにはたらく浮力の大きさが、スプーンAにはたらく浮力の大きさ14 ① よりも大きい
からです。
(下向きの大きさに関しては同じなのに、上向きの大きさに関してはスプーンBの方が大きい)
そして、浮力というものは体積に対してはたらくものだから、浮力が大きいということは体積も15 ① 大きく、
質量は同じなのだから密度が小さい、ということです。