この問題は、『糸でつながれた物体』項で示したアトウッドの器械とは別物ですので注意してください。モーターの駆動力を使うので、重力の力だけがはたらいているわけでもありませんし、ロープはモーターに巻き付けてあるので T1 と T2 は等しくありません。
加速度は共通です。かごが上向きに a で加速しているならば、おもりは下向きに a で加速しています。
かごとおもりにはたらく力を書き出すと左図のようになります。
かご、おもり、それぞれについての運動方程式を立てます。
(かごの運動方程式)
上向きを正としまして、
Ma = T1 - Mg
∴ T1 = Mg + Ma
∴ T1 = M(g + a)
(おもりの運動方程式)
下向きを正としまして、
ma = mg - T2
∴ T2 = mg - ma
∴ T2 = m(g - a)
(余談)
もし、a = g としますと(9.8m/s2 で引っ張り上げるということ)、
T1 = 2Mg となり、張力はかごの重さの2倍となります。
また、T2 = 0 となり、おもりは自由落下状態で落ちていきます。ワイヤーロープはわずかにたるみます。
もし、a = 1.1g としますと T2 = - 0.1mg となり、張力は負の値をとるはずがなく、これはおかしいです。問題文にも「たるまない」とありますし、つまり、a ≦ g ということがいえます。