力のつり合いと作用⋅反作用の法則の区別
念のため説明
力のつり合いと作用⋅反作用の法則はとても似ていて区別がつきにくいです。細かいことは気にしなくてもいいという考え方もあるかもしれませんが、テストに出る可能性もあるので本項で見分け方を説明しておきます。
前項のモデル
前項で示した左図のようなモデルを考えます。
・地球が重りを下に引っ張る力*重力のことです。閉じるとロープが重りを上に引っ張る力がつり合っていて、重りが静止している
・重りがロープを引き下げようとする力の反作用がロープが重りを引き上げようとする力である
・重りがロープを引っ張る力と杭がロープを引っ張る力がつり合っていて、ロープが静止している
(あと見落としがちなのが)
・地球が重りを下に引っ張る力の反作用が重りが地球を上に引っ張る力*物理に慣れてない方には馴染みのない考え方かもしれません。『万有引力』項 の『重力における反作用は無視』をお読みください。閉じるである
というようなことがいえます。
要は
つり合いといったら、 1つの物体に複数の力がはたらいていてその合力が 0 ということで、
作用⋅反作用といったら、 2つの物体が互いに作用を及ぼし合うことです。*作用の力と反作用の力に時間差があるわけではありません。時間差をもうけたのは説明のための演出です。閉じる
他の例
地面に重りが置かれている場合、重力による作用⋅反作用の力ともう一つ別の作用⋅反作用の力があります。
それは重りが地面を押す力と地面が重りを押し返す力です。
これら赤・青の組とオレンジ・緑の組は大きさも向きも同じなので同等のものと見なせるかもしれませんが、厳格な先生は明確に区別してテストに出題するかもしれないので、一応覚えてください。
力のつり合いの観点からいえば、
赤と緑がつり合っているので重りが静止しています。
オレンジと青がつり合っているので地球が静止しています。
なお、『慣性の法則』を学びますと等速度運動をしているときも力のつり合いが成り立つことがわかり、その場合の力のつり合いと作用⋅反作用の法則の区別はもっとややこしくなります。