直流電流計では電流の大きさに応じて指針が振れる。その動作原理は、電流が磁場から受ける力で理解できる。
(問1)次の文章中の空欄ア~ウに入れる語句の組合せとして最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。
図1(a)のように、電流計の指示部は、指針と一体となったコイルと磁石からなる。コイル部分の模式図を図1(b)に示す。電流が矢印の向きに流れるとき、コイルは磁石による磁場から力を受け、図1(b)に示す向きに回転する。このとき回転に影響を与える力を受けるのは、図1(b)に示すコイルのアの部分であり、Aの磁極はイ、Bの磁極はウである。
ア | イ | ウ | |
---|---|---|---|
① | 辺cとe | N極 | S極 |
② | 辺cとe | S極 | N極 |
③ | 辺dとf | N極 | S極 |
④ | 辺dとf | S極 | N極 |
(問2)電流計のコイルは、断面積 0.030mm2 、全長 2.0m の銅線でできている。その抵抗値として最も適当なものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。ただし、銅の抵抗率を 1.7×10-8 Ω⋅m とする。
① 5.5×10-7 ② 5.5×10-4 ③ 0.55 ④ 5.5×102
⑤ 1.1×10-6 ⑥ 1.1×10-3 ⑦ 1.1 ⑧ 1.1×103
(問3)図2のように、抵抗値 R の抵抗を電流計と直列に接続した。ここで r はコイルの抵抗値である。電流計のコイル両端の電圧が v のとき、図のPQ間の電圧 V を式で表わせ。
#センター15本試物理Ⅰ
(問1)
直流モーターの原理で説明したように、力を受ける部分は、磁場に常に直角な方向を向いている辺d、fです。
辺c、eは力を受けるとしても上下方向です
磁場が右を向いているとして
フレミングの左手の法則を適用しますと、力の向きは左図のようになります。
磁場が左を向いているとすれば、力の向きはそれぞれ逆になります。
辺c、eが磁場と平行のときはそもそも力を受けません。
。指針の回転には影響しません。
そしてコイルが右回りに回転するということは
フレミングの左手の法則より、磁場は右向きであるということであり、Aの磁極がN極で、Bの磁極S極ということです。
答えは ③ です。
(問2)
抵抗率の式
R = ρ⋅\(\large{\frac{l}{S}}\)
に各値を代入しますと、
R = 1.7×10-8 ⋅ \(\large{\frac{2.0}{0.030×10^{-3}×10^{-3}}}\)
= \(\large{\frac{1.7×2.0}{0.030}}\)×10-2
= \(\large{\frac{1.7×2.0}{3}}\)
= \(\large{\frac{3.4}{3}}\)
≒ 1.1333
答えは ⑦ 1.1 です。
(問3)
電流計の電圧が v で抵抗値が r なのだから、電流計を流れる電流の大きさはオームの法則より \(\large{\frac{v}{r}}\) であり、これは R の抵抗に流れる電流でもあり、R の抵抗に掛かる電圧はオームの法則より R\(\large{\frac{v}{r}}\) であり、
つまり、PQ間の電圧は
V = R\(\large{\frac{v}{r}}\) + v
= R\(\large{\frac{v}{r}}\) + \(\large{\frac{r}{r}}\)v
= \(\large{\frac{R+r}{r}}\)v