水平面と角度 θ をなす、あらい斜面に沿って、質量 m の物体がすべり下りている。斜面と物体の間の動摩擦係数を μ' 、重力加速度の大きさを g とする。
(問1)物体にはたらく垂直抗力の大きさ N はいくらか。
(問2)物体の加速度として正しいものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。ただし、斜面に沿って下向きを加速度の正の向きとする。
① gsinθ ② gsinθ + \(\large{\frac{μ'N}{m}}\) ③ gsinθ - \(\large{\frac{μ'N}{m}}\) ④ gcosθ ⑤ gcosθ + \(\large{\frac{μ'N}{m}}\) ⑥ gcosθ - \(\large{\frac{μ'N}{m}}\)
#センター16追試物理基礎
(問1)
物体には重力mg が掛かり、
それを【斜面方向】と【斜面に垂直な方向】に分解しますと、mgsinθ と mgcosθ となり、
物体は【斜面に垂直な方向】には動かないから、これは【斜面に垂直な方向】にはたらく力がつり合っているということであり、
N = mgcosθ
です。
(問2)
物体が動く方向は斜面方向であり、その方向の力は mgsinθ と摩擦力(動摩擦力)の2つです。
摩擦力(動摩擦力)というのは垂直抗力に摩擦係数(動摩擦係数)を掛けたものだから、
N × μ'
です。
(正負に気をつけて)2つの力を合わせますと、
mgsinθ - μ'N
であり、求める加速度を a と置いて斜面方向の運動方程式(ma = F)を立てますと、
ma = mgsinθ - μ'N
∴ a = gsinθ - \(\large{\frac{μ'N}{m}}\)
答えは ③ です。
(別表現)
N を用いないで表現しますと(上式に N = mgcosθ を代入して)、
a = gsinθ - μ'gcosθ = g(sinθ - μ'cosθ)
となります。
(頻出)
この問題は頻出です。高校の定期テストでも大学入試でもよく出題されます。しっかり覚えましょう。