qGAR9

領域Ⅰから領域Ⅱに入射する平面波を考える。図1はある時刻の領域Ⅰにおける波面を描いたものである。実線は波の山を、破線は波の谷を表している。入射波の波面と境界のなす角度を θ とする。

図 1

(問1)領域Ⅰにおける波の速さは 2.0m/s で、周期は 3.0s である。この波の波長は 何m か。

(問2)入射した平面波が領域Ⅰと領域Ⅱの境界で反射・屈折する場合を考えよう。図2には θ = 30° としたときの入射波と屈折波の波面が描かれており、このとき領域Ⅱでは、波面と境界のなす角度は 45° であった。さらに角度 θ を徐々に大きくしていくと、ある角度になったとき初めて入射波は境界で全反射した。この角度はいくらか。

図 2

(問3)次に平面波が領域Ⅱには進入せず。領域ⅠとⅡの境界で変位が 0 となる固定端反射が起きる場合を考えよう。θ = 30° としたときの入射波および反射波の山と谷の関係を表す図として最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。ただし、細い実線と破線は入射波の山と谷を、太い実線と破線は反射波の山と谷をそれぞれ表すものとする。

      

#センター09追試

(問1)
波の基本式 f = \(\large{\frac{1}{T}}\) に T = 3.0 を代入しますと、

    f = \(\large{\frac{1}{3.0}}\)

波の基本式 v =  に v = 2.0 、f = \(\large{\frac{1}{3.0}}\) を代入しますと、

    2.0 = \(\large{\frac{1}{3.0}}\) × λ

 ∴  λ = 6.0 [m]

 

 

(問2)
図2を分かりやすくするため、波を矢印に書き換えます。

屈折の法則(スネルの法則)によれば、このときの

    \(\large{\frac{\sin30°}{\sin45°}}\)

という比率は保たれます。

  

角度 θ を徐々に大きくしていく(黒線→青線→紫線→赤線)と、あるところ(赤線)で波は屈折しなくなり境界線上を進みます。これが初めて全反射した状態です。このときの入射角を臨界角といいます。この臨界角を求めよというのがこの問題の題意です。

初めて全反射が起こるときの屈折角というのは 90° です。そしてこのときも屈折の法則は生きていますから、臨界角を i と置くと、

    \(\large{\frac{\sin30°}{\sin45°}}\) = \(\large{\frac{\sin i}{\sin90°}}\)

 ∴  \(\large{\frac{\frac{1}{2}}{\frac{1}{\sqrt{2}}}}\) = sini (∵ sin30°=\(\large{\frac{1}{2}}\)、sin45°=\(\large{\frac{1}{\sqrt{2}}}\)、sin90°=1)

 ∴  sini = \(\large{\frac{\frac{1}{2}\times\sqrt{2}}{\frac{1}{\sqrt{2}}\times\sqrt{2}}}\) = \(\large{\frac{1}{2}}\)×\(\sqrt{2}\) = \(\large{\frac{1}{\sqrt{2}}}\)

 ∴  i = 45°

 

 

(問3)
まず、反射の法則により、入射角と反射角は等しいので、反射角も 30° です。(屈折のときは角度が変わりますが、反射のときは角度は変わりません)。よって、②、④、⑥のいずれかです。

そして、固定端反射であるので、反射波の位相は π ズレます。位相が π ズレるというのは、入射したとき山だったものが反射するとき谷になるということです。

そのようになっているのはです。

②は、境界において細実線が太実線に接していますので、入射波の山が反射して山となっているということであり、不適です。これは自由端反射です。

④は、境界において細線と太線がつながってないので固定端反射でも自由端反射でもなく、不適です。このような反射はありません。